質問

私は薬剤師をしております。詳細は省きますが、現在の仕事とはまったくかけ離れたデータサイエンティストへの転向を考えております。

ただし、データサイエンティストになるための学習の範囲は多岐にわたり、どこから手をつけて良いのやら……という状況です。

1から手をつけていくとしたら、どのように勉強を進めていくべきか、オススメの順序はありますでしょうか。指針となるものが欲しく、質問させていただきました。

以上、よろしくお願いいたします。

回答

現在の薬剤師という専門性を生かしながら、学び始めるのはいかがでしょうか。

例えば、「症例検討会などでデータを使って発表する」「ご専門の学会の認定薬剤師を取得する」などの目標を立て、基本的な統計の学習から始めることをおすすめします。

臨床試験の結果を見る際も、実際の症例データから報告書をまとめていく際も統計の知識は必要になりますので、現在の業務ともマッチしやすいのではないでしょうか。学会によっては、認定薬剤師を取得する際に症例報告書の提出などが必要になるものもあるので、実際に報告書を作成しながら学習していくと取り組みやすいと考えました。

具体的な学習方法としては、無料のオンライン講座などにも統計の講座はよくありますし、生物統計の書籍もたくさんありますので、ご自身の取り組みやすい方法を選択するとよいかと思います。

以下、スキル委員の推薦図書のページになります。生物統計に関する書籍もいくつか掲載してあります。

データサイエンティスト協会 - 推薦図書

  • データサイエンティスト協会が推薦図書を紹介しているWebページ

また、学術文献を読むことで、症例や薬剤についての知識を得ながら、グラフから意味を読み取る力や分析方法の知識などを身につけていくこともできると思います。なじみのMRさんに聞いてみたり、医療関係者向けサイトで調べたりすると、情報を得ることができると思います。

製薬業界には昔から生物統計家もいますし、近年デジタルマーケティングも盛んになってきていますので、薬剤師の経験を生かしながら活躍できる場はたくさんあると思います。まずは、始めやすい統計の学習から始め、情報を収集する中でより興味が出てきた分野に取り組んでいくことをおすすめします。

以上、何か参考になれば幸いです。

本連載では、データサイエンティスト協会が公式サイトで提供しているコンテンツ「教えて!DS」をもとに編集したものです。随時、データサイエンティストの方への質問を受け付けていますので、ぜひこちらでお願いいたします。