ワードやパワポは、文字、図、写真に加え3Dモデルも使えます。で、その3Dモデルに、NASA提供のものも使えちゃうので楽しいな、結構ユニークな3Dモデルもあるよ、という、今回はそんなお話でございます。
さまざまな宇宙ネタを集めるNASA
宇宙ネタを使って仕事する人間にとって、「神」なのはNASAのWEBサイトでございます。なにしろ、宇宙開発、天文学、航空関係まで、ありとあらゆる情報がこれでもか! というくらい集まっています。特にMultimediaセクションのimageでは図、写真、動画などなど豊富で、しかも、使用条件がゆるく、私のようにニュース情報として使う部分については、NASAオリジナルのものなら、ほぼフリーで利用できてしまうという太っ腹でございます。
また、ネタ的にもNASA内外に絵師を抱えているので、科学者の発表写真をさらに分かりやすくする想像図や解説図などの挿絵やインフォグラフィックスや動画も豊富です。ちょっとしたジョーク的なおもしろい内容のものもあり、宇宙ネタを伝える時のバリエーションを豊かなものにしてくれること請け合いです。まあ日本のセンスとちょっとズレるところはありますけれどね。アメコミと日本のマンガの違いみたいな部分ですな。
3Dモデルも配布するNASA
さて、そんな豊富なNASA WEBには、3Dモデルの配布もあります。人工衛星や宇宙機はさすがに豊富、ロケットのモデル、月面など他天体の地形、月に関しては、たとえば「人類の第一歩」のレリーフなどもありますな。
WEB上でもぐるぐるまわすこともできますし、3D Printableなものは、STL形式対応の(一般的な)3Dプリンターで打ち出すこともできます。3Dプリンターは、数万円くらいからいろいろ売っていますので、クリスマスかなにかをネタに購入するのもいいかもですな。
ですが、もっとそんな3Dモデルを手軽に使う方法がございます。それは、ワードやエクセル、パワーポイントを使う方法です。これらマイクロソフトな製品は、3Dモデルを挿入する機能が5年くらい前のOffice 2019から本格的に導入されています。
たとえば、ワードだと上のメニューの「挿入」のところに「3Dモデル」という選択肢があり、3Dモデルのストックあるいは、単にダブルクリックすると、モデルのカタログがでてきて、クリップアートを挿入する感覚で3Dモデルを文章の中に読み込めちゃいます。そして、ワードやエクセルの上で、ぐるぐるとうごかしながら、気に入った角度の挿絵として使うことができるのですな。
下の2つは同じ3Dモデルを角度、ズーム比を変えて並べたものです。
細かな操作は、3Dモデルをマウスでポイントするとメニューにでる「3Dモデル」や右クリックすると出てくる「3Dモデルの書式設定」で色々操作できますので試してみてください。
もちろん、3Dモデルを入れると、それなりにファイルサイズは大きくなり使い勝手は悪くなるので、適当なところで画像に変換してしまったりするほうが便利ではあります。
ところで、このワードやパワポの3Dですが、メニュー上は挿入に「このデバイス」というのがあり、オフィスのライブラリではなく、適当な3Dモデルも使えるのだなということは薄々知っておりました。が、何が使えるか、追求したことはなく、適当な3Dモデルの配布サイトはたいてい有料(で本気の仕事用)ってこともあり、使っていなかったでございます。
が、この間の米国政府閉鎖が解け、NASAのサイトも再始動したのでみたところ「あ、NASAの3Dモデルも使えるんでは」と思って試したら、これが使えることがわかったのですね。
オフィスの3DモデルはglTF形式なのですが、様々な3D形式が自動変換されます。オフィスのヘルプで見ると、使えるのはSTL形式(3Dプリンタでよく使われる、色はなし)、3MF形式(これも3Dプリンタで使われる)、PLY形式(プロが3Dスキャナとかで使うやつ)、OBJ形式(3Dモデリングで広く使われている、色も使える)、BX形式です。
このうち、STL形式は、3Dプリンター出力で広く使われているので、かなりあちこちにデータが落ちています。そしてそして、NASAもかなりたくさんのSTL形式の3Dモデルを配っているのでございます。
ということで、1つ使ってみましょう。月ロケット「SLS」でございます。これはSTL形式ですのでダウンロードして……
「3Dモデル」メニューから読み込ませると……おおお、できましたよ。
ということで、3DもNASAもお手軽になったなあ。と感慨でございます。
なお、さらに動かしたりとかパワポだともっと色々遊べるらしいのですが、今回はここまで。ふーー。楽しい。


