2014年の宇宙、どうでしょう?、ということで、予測が秒単位でできることから、どーなるかわからんことまで「素人でも手軽に観察・参加できる」宇宙にかかわるあれこれを、サクっと紹介しちゃいます。今回は前回に引き続き、2014年下半期の話題でございます。10月には皆既月食があるなどなど、大ネタもありますよ!

9~10月

9月28日には、土星食が起こります。月に土星がかくされる現象で、ちょっと珍しめです。望遠鏡などで見ると、なかなか見応えがあるんですが…昼間なんです。12時7分~13時23分が京都付近のデータですが、時間は場所によって変わります。

そのあとも、月のそばに土星がありますので、チェックしてくださいませ。

10月8日には、皆既月食が日本全国で見られます。今年最大の天文ショーですね。しかも観察がしやすいのです! 皆既、つまり、地球の影のすっぽり隠されたときは、赤色っぽい不思議な月が見えますよー。

これまた、近くなったらレポートしようと思いますが、とりあえず夜18時15分~21時34分で、そのうち皆既になるのは19時24分~20時24分の1時間です。

宇宙探査は、火星!です。夜空には見えにくくなっているのですが、あいついで火星探査機が火星に到着します。すでに火星にいる探査機とともに、様々なニュースを届けてくれますなー。

アメリカの火星探査機「MAVEN(メイバン)」は、9月22日に火星に到着します。火星を周回しながら、火星の大気を調べるという、シブイ探査機です。同じことを、日本の探査機のぞみも10年以上前にやろうとしていたのですが、部品の故障のため火星軌道への投入をあきらめています

なんと、インド! の火星探査機マーズ・オービター・ミッション(通称マンガルヤーン)も火星に到着します。9月24日の予定です。

火星探査はなかなか難しく、米、ロシア、ヨーロッパ、中国、日本が挑戦して、まあ、成功したのは、米、ヨーロッパだけです。これでインドが成功したら、宇宙先進国を出し抜くことになりますねー

火星といえば、10月19日にちょっと変わったネタがあります。火星と彗星が、衝突せんばかりに接近するのです。「サイディングスプリング彗星」がそれで、地球の軌道までやってこないので、見えないのですが、火星までの接近距離は14万kmと、地球と月の距離よりも近づくのです。

これによって、火星に流星群が見られるとか、火星の表面になにか影響がないのかとか、いろいろ注目されます。火星で流星群がみられても、地球では観測できないのですが、火星には、複数の火星探査機や探査車が活動しています。これらが、その活動を捉えられるかもしれません。また、こうした探査機が壊れてしまうかも、ということも懸念されています。ちょっと楽しみ、ちょっと心配、なにがわかるかわからないイベントです。

11~12月

11月はこれといった天文イベントはありませんが、オリオン座がみえはじめて、空がまたにぎやかになっていますね。

12月14日には、ふたご座流星群の極大があります。ペルセウス座流星群とならんで、通常の8倍から10倍マシで流れ星がながれます。一晩中見えるのがいいところで、夜の8時から1時間とか、そういう観察もOKですね。前にも取り上げましたが、この連載でもまたとりあげるつもりです。

11月にはロゼッタ探査機がいよいよ彗星への着陸を敢行します。着陸はロゼッタから分離した冷蔵庫ほどの着陸機です。成功すれば、史上初!。彗星は太陽にあぶられて蒸発し、そこから多数の砂粒が、嵐のように飛び出しています、そこに突っ込むのですから、さあ、どうなるか注目ですねー。

そしてそして、12月には、いよいよ、日本の小惑星探査機、はやぶさ2が小惑星に出発する予定です。成功してほしいですよね。小惑星「1999JU3」に着陸するのが4年後、そして6年後の2020年。東京オリンピックの閉幕後の12月に地球に帰還する予定だそうです。これも、レポートしてまいりますね。

地球を出発する「はやぶさ2」の想像図 (C)JAXA/池下章裕氏

ということで、夏をちょっとくわしめにご紹介しましたー。宇宙ネタはいつでもいろいろあります。また、新しい宇宙ネタが飛び込むこともあります。随時レポートしていきます。楽しんでまいりましょー。

著者プロフィール

東明六郎(しののめろくろう)
科学系キュレーター。
あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。