夏の星座、「さそり座」。夏の南の空に、大きなSの字を雄大に描いています。

誕生日の星座というだけでなく、明るい星が多く、夏の星空の目印になるさそり座は、星の中でもレアな、爆発しそうな星を含んでいます。今回はそんなお話でございますよ。

夏休みに入りました。都市部の子供たちは、合宿やキャンプ、田舎への帰省などで星がよく見える場所に行く機会がある時期ですなー。

この時期、頭の上には、織姫、彦星をふくむ夏の大三角の白い3つの星が輝き、南の空にはSの字型のさそり座がよく見えています。満天の星を楽しめるような田舎だと、天の川がふりかかるように見えるのでございます。なお、図はすべてアストロアーツのステラナビゲータアプリで作成してます。

しかし、田舎に行きたいなあ。

  • 7月下旬の夜9時の空全体

さて、この図は7月下旬の夜9時の空全体を表しているのですが、さそり座のあたりには明るい星が多めです。

星が明るいのは2つ原因があります。その1つ目は「近い」です。織姫と彦星は、25光年と16光年です。太陽から直径30光年以内にある星で発見されているのはおおむね500個ですが、そのほとんどは暗くて肉眼で見えないので、肉眼で見えるとすると60個程度。肉眼で見える星は9000個程度あるので、これは近いといえるのですね。あ、ちなみに前回紹介したSIMBADで調べていますよ。

もうひとつは、とても明るい特別な星ということです。太陽なみの星でも30光年かなたから見ると、4等星という、都会では見えないレベル(郊外ではなんとか見えるレベル、満天の星が見えれば6等星まで見える)ですので、つまりは太陽より明るい星ということになるわけですなー。

夏の大三角の織姫と彦星でないもう1つ、デネブは距離1400光年もの距離にあるのに、同等の明るさに見えております。ということで、デネブはとても明るいのです。どれくらいかというと、太陽の5万倍以上の明るさです。これはさすがにとんでもない明るさです。

さて、さそり座ですが、明るい星が多いのですが、それは近いのでしょうか。明るいのでしょうか。

さそり座の明るい星から7番目まで調べてみますと。

  • さそり座
  • さそり座の明るい星の順番

うおおお、ララワグもスゴイが、あとは超ド級ではないですか。さそり座、何気にとんでもないものを見ていたのでございますな。

ところで、明るいというのは、星が重いということでございます。重い星は、中心部が圧縮され、それだけ星を光らせる核融合反応の効率が爆上がりになり、それで明るく輝くのでございます。

じゃあ、どんくらい重いのかというと、なんと太陽の10倍ごえがゾロゾロでございます。

  • 重い星の一覧

さて、この中でぶっちぎりに明るいのがアンタレスですが、重さはぶっちぎっておりませんな。これはどういうことかというと、核融合をする物質が違うからでございます。

表の中に光度階級というのを入れております。Iは超巨星、IIは巨星、IIIは輝巨星、IVは準巨星、Vは矮星ですが、VとIVは水素が核融合反応していますが、そのほかは、水素ではなくヘリウムや炭素酸素などが核融合反応を起こしています。それぞれに同じ圧力でもエネルギーの発生効率が違う、というかとても効率が高いために、同じ重さでも明るさが変わるのでございます。

さてさて、炭素や酸素の核融合は、相当重くないと起こせません。そして、そうした核融合は水素やヘリウムが核融合した結果生まれる物質です。星の一生の末期にこの状況になるのでございますな。

そしてとてつもないエネルギーを発生させ、かつ燃料をあっという間に使い尽くします。

あっという間に使い尽くすような光度階級Iに昇り詰めるような星は、太陽の8倍以上の星は、星の一生の最後に、星が一気につぶれ、その反動で大爆発を起こします。いわゆる超新星爆発というやつでございます。

爆発がまじかなのは、光度階級Iになっているアンタレスです。

が、さそり座を作る明るい星のかなりは、大爆発をして一生を終えるのでございます。

クリスマスはしばしば爆発せよといわれるわけですが、さそり座も爆発して終わるのですな。全部じゃないですけどね。

といっても、爆発まではアンタレスですらまだ数万年はあります。我々の世代は夏の空に雄大なSをまだまだ見られそうでございます。