今年は、国連が採択した、国際ガラス年です。ということで今年中に語らねばということで、ガラスについてちょいとまとめました。

世の中には様々な材料があふれかえっています。

金属、木、プラスチックなどの樹脂類、紙、土や粘土、セメント、各種の複合材料、そして……今回の主人公ガラスです。

いま、この原稿を書いているPCの画面はタッチパネルでしてガラスで覆われていますし、部屋に外光を入れているのもガラス。お茶を入れたガスコンロはガラストップで防汚のためのガラスコーティングがされています。あと、バックアップのハードディスクドライブはガラスの円盤に磁性体を塗ったものが超高速回転をしているものがありますな。そうそう、この文を編集部に送り、さらにみなさんに読んでいただくには、グラスファイバーによる超高速通信が貢献しています。

  • インターネットの高速通信を支える光ファイバーもガラスで作られています

    インターネットの高速通信を支える光ファイバーもガラスで作られています

ガラスといえば、透明、堅い、なめらか、腐食に強いという特徴の反面、もろい、割れる、重い、修理しにくいといった印象もあります。あとは、リサイクル性の高さもポイントですな。

また、木材やプラスチックと違って加工が難しく、すくなくとも小学生の夏休みの自由研究だと、ビー玉やガラス片を粘土に埋め込むといった利用法か、ブロックを積むくらいで、ガラスそのものを自在に変形させるというのはまず見られませんな。

さて、ということでそのガラスについて、今年2022年は「国際ガラス年」なのです。まずはその趣旨をチェックしてみます。国際なんとか年は、たとえば物理年なら「アインシュタインの相対論から100年」とか、天文年なら「ガリレオの望遠鏡から400年」といった節目なのですが、今回はそういうことではないんですな。ガラスの利用は3500年前には遡れますし、あまりに普遍的に使われている材料なので、なかなか~だからというのは難しいようですな。

それでもということで示された「マイルストーン」で紹介されているのは、眼鏡の発明から670年です。これはちょっと私の記憶(1000年前のアラビアと思っていた)のと違っていたので、1352年に何があったのか調べてみました。

そこででてきたのは、画家のトンマーゾ・ダ・モデナが描いたフレスコ画の人物に眼鏡が描かれていたのにちなむようですな。イタリアの北部、ヴェネチィアの北30kmにある、トレヴィーゾ市にあるそうです。ヴェネチアは、大商人マルコ・ポーロの拠点であり、運河とともに、ヴェネチアン・ガラスで有名なガラス工芸の町ですが、14世紀に透明の! ガラスがこの町で開発され、おそらくはここで眼鏡が発明され、周辺都市に広まったと考えられており、その明確な証拠がこのフレスコ画ということなんでしょうねえ。

ちなみにこの古代ローマ時代からの歴史を誇る人口8万人あまりのこの町には、世界的企業としてアパレルのベネトンコーヒーメーカーや暖房機器のデロンギの本社があるそうです。へぇぇ。

他はといえば、200年前に、灯台用にフレネルレンズが発明されていたり、60年前には自分のスタジオの炉を使うことで、個人芸術家がガラス作品を自由に作ることができる「スタジオ・ガラス運動」がはじまったことなどが上げられています。

さてさて、ガラスですが、結晶に対する非晶質の固体状態や、その状態の物質を指す言葉です。一番よく知られているのは、窓ガラスなどでおなじみの二酸化ケイ素などのケイ酸化合物のガラスですな。原料としては透明、堅い、なめらかなどの特徴を持っています。物質は液体→固体にするときに結晶になりたがるのですが、急速に冷やすことで結晶を作らせないようにしてガラスを作ります。

また、イオウやアクリルなどのガラスも利用されていますな。この辺は、まあ教科書を読むみたいになって、お話としてイマイチなのでこの辺で。

あ、ただガラスって何なの? って私は細かな結晶が散らばっている状況と思っていたのですが、調べると「諸説あり」になっているんですね。こんな身近なのにロマンが残っているのですな。

そんなガラスですが、火山ガラス(溶岩の急冷)など自然でもいくらでもあるのでございます。最初はアクセサリーに使える程度のミニサイズで製造がはじまり、3000年前には小さな容器になっていますね。そう、ガラスは物質と反応しにくい状態なので、ものを保存する容器として発展します。いまでも瓶詰めや、化学実験の道具として多いに活躍しています。特に化学実験では透明で丈夫で反応しにくい特性で、他の物質を持って替えがたいということで利用されまくっています。化学実験する人は、みなさん、ちょっとしたガラス加工のテクニックを持っています。私はやれなかったので、化学実験無理だーという感じです。

顕微鏡や望遠鏡もガラスのレンズによって発明されましたし、また、ガラス窓によって、危険な真空や物質を封じ込めて観察できるなど、眼鏡の存在とあわせ、ガラスがなければ、科学って発展できなかったんじゃないか? というくらい重要な材料でございますな。まあ、金属も木もみんなそうといえばそうですけれど。

また、透明で丈夫なので、1000年前には、ガラス窓として活用されてまいりますな。当初は色がないガラスを作るが難しかったので、自然にステンドグラスという形で活用されますな。本当にクリアな透明ガラスは眼鏡の話であったように、イタリアのヴェネチアで13世紀頃に開発され、次第に一般的になっていったわけでございますな。

  • ステンドグラスの歴史もかなり長いものがあります

    ステンドグラスの歴史もかなり長いものがあります

また、ガラス利用の当初から装飾品として使われており、各地にガラス工芸や美術品の美術館がありますし、もちろんアーティストも大勢活躍しています。

ということで、あまりにも広範囲に生活に溶け込んでいるガラスですが、あまり立ち止まって注目することがないので、国際ガラス年はとてもよい機会ですよね。ただ、そのなんというか、私の周りではあまりお話がまわってこない。応用範囲が広すぎるせいなんでしょうかねー。空気みたいになっちゃっているのですかね。

ガラスがらみでは面白い動画とかもたくさんありそうなので、これからもチョイチョイガラスに注目しようと思った東明なのでございました。