三菱商事と大手データセンター事業者の米Digital Realtyによる対等出資の合弁会社であるMCデジタル・リアルティは4月8日、AIやハイブリッドクラウドなど実証環境を備えた「MCデジタル・リアリティ・イノベーション ラボ」(以下、DRIL)と、NRTキャンパスで3棟目となる「NRT14データセンター」を千葉県印西市に開設し、その内部をメディア向けに公開した。
企業はAIインフラを導入前にどこまで検証できるのか?DRILの実力
AIの導入が進む中で、高密度かつ高い処理能力を持つワークロードに対応しながら、運用効率、安定性、信頼性を備えたITインフラの活用を求める企業が増えている。
こうした市場の動きに対応するため、グローバルのデータセンター事業者である米Digital Realtyは、本番環境に準じた検証環境を提供し、実際の環境に限りなく近い条件でアーキテクチャを検証できるブランドとして「DRIL」を立ち上げた。
DRILでは何ができるのか?液冷・高密度環境の実証内容
ユーザーは空冷および直接液冷に対応するインフラ構成を確認しながら、性能や電力密度を検証可能。稼働開始時点では20社のパートナーが参画しており、インフラ検証をサポートする。
DRILの開設は、米バージニア州北部で2025年9月に開設された施設に続き、グローバル2拠点目。2026年後半にはシンガポールで新施設が稼働を開始する予定だ。
どんな技術が検証されているのか?OCPラックや液冷スイッチの実例
施設内には、OCP(Open Compute Project)に対応する「ORV3ラック」を備える。これは、集中給電システムを採用することで、熱源となる電源とサーバを分離できるほか、液冷方式にも対応可能。
実際に、液冷のネットワークスイッチ(JUNIPER QFX5250)の検証も行われていた。
その他、富士通の冷却技術やエフサステクノロジーズのx86サーバ「PRIMERGY GX」シリーズ、ニデックの冷却ソリューションなどが稼働している様子が見られた。
なぜ今、液冷や高密度対応が必要なのか?企業が抱える課題
MCデジタル・リアルティのCEO 山下康平氏は「DRILは、お客様がインフラを導入する前に試しながら最適な構成を考えるための実証の現場。AIの導入が進む一方で、電力、冷却、ネットワークに課題を抱える企業も多い。DRILではそうした課題を事前に確認しつつ、スムーズな導入につなげてほしい」と話していた。
新設「NRT14データセンター」は何が新しいのか?
同日に開設されたNRT14データセンターは、同社としては計9棟目、NRTキャンパス内では3棟目となるデータセンター。同施設は最新式のGPUに適した高電力・高密度に対応する空冷と液冷のハイブリッド構成も可能。これにより、NRTキャンパス全体でのサーバ用電源容量は計100メガワットに達するという。
最大150kW対応など、AI時代に向けたスペックの特徴
NRT14データセンターは100キロワット超の高密度なAIワークロードをはじめ、HPCや機械学習などの利用において、安定した稼働と低コストの実現に寄与するという。
今後のGPU安定稼働に求められる、空冷と液冷のハイブリッド型のファシリティを提供。ラック当たり最大150キロワットのコロケーションサービスに加え、低レイテンシかつ高速なネットワークにも対応する。
再エネ対応やキャンパス連携、拡張性はどうなっているか?
NRT14データセンターは他の既存データセンターと同様に、コロケーション用のデータホールで使用する電力は実質100%再生可能エネルギーとなる予定。顧客の脱炭素化をサポートする。
さらに、NRTキャンパス内の各データセンターは「キャンパスコネクト」という高速接続サービスによりつながるため、ユーザーはデータセンター間の距離を意識することなく、キャンパス全体のスケールを生かした拡張が可能とのことだ。









