「MOLESKINE」定番のダイアリー

ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、アンリ・マティス、パブロ・ピカソ、アーネスト・ヘミングウェイ……、偉大な芸術家や作家が愛用者として名を連ねるノートといえば「MOLESKINE(モレスキン)」だ。彼らがふっと浮かんだアイディアやスケッチを書き込んだという魅力的な逸話をもつこのノートは、日本でもアーティストやクリエイターの間でマストアイテムとして愛用されている。一貫したムダのないデザインとシンプルな装いで"自分らしさ"を表現するためにはピッタリのブランド。カスタマイズできる余白にあふれているのもまた魅力のひとつだろう。

歴史と伝統が紡ぎ出したブランド、MOLESKINE

このノートの誕生は今からおよそ200年前。フランスの小さな製本業者の間で作られ、パリの文房具店に並んでいた。当時はとくに名前が付けられることもなく、黒い丈夫な装丁に内側のポケット、ノートを束ねるゴムバンドというシンプルで使いやすいデザインから、芸術家や作家に愛用されてきた。だが、1980年代半ばになると徐々に製造されなくなり、やがて完全に姿を消してしまう。

それから約10年後の1997年、伝統のノートが消えてしまったことを嘆く声を受けて、イタリア、ミラノの小さな出版社モド&モドがこのノートを復刻。当時と同じデザインを継承したMOLESKINEのノートを、私たちも使えるようになったのだ。そもそも、この「モレスキン」という名称、実は製造元の社名やブランド名というわけではない。芸術家や作家の間で愛用されていた名もない黒いノートを、紀行作家ブルース・チャトウィンが自著『ソングライン』(1987年刊行)のなかでMOLESKINEと呼んだことから、復刻後はブランド名として定着した。

「プレーンノートブック(無地)」 1,890円(Pocket)、2,730円(Large)/「スクエアーノートブック」(方眼) 1,890円(Pocket)、2,730(Large)/「ルールドノートブック」(横罫) 1,890円(Pocket)、2,730円(Large) 世界中のアーティストたちが愛した黒いハードカバーの定番ノート。ルールドとプレーンノートブックは赤いカバーのものも

「インフォブック」 1,890円(Pocket)/「アドレスブック」 1,890円(Pocket)、2,730円(Large)/「メモポケット」 1,890円(Pocket)、2,730円(Large) 旅先で気に入ったものをカテゴリー別にメモできるインフォブック。寝る、食べる、人、場所、設備の5つのラベル付き。メモポケットのPocketサイズは名刺入れにしても便利だ

豊富なシリーズとバリエーション

MOLESKINEの新たな魅力のひとつといえば、今も増え続けているバリエーションの豊富さ。伝統的な黒いハードカバーで無地や横罫、方眼のペーパーを綴じたポケットサイズのノートや同じ装丁のダイアリーのほか、スケッチブックに水彩画用ノートブック、五線譜が印刷されたミュージックノートブック、2コマと4コマのフレームが入ったストーリーボードなど、用途に合わせたデザインになっていて、ノートそのものが創作マインドを刺激してくれる。

「カラーダイアリーボックス」1日1ページ、12冊セット 5,460円(Pocket) 1年を12冊の薄いノートに分冊した新しいダイアリー。1日を1ページにたっぷり書くことができて、毎月異なるカラーバリエーションも楽しい(2010年度分は8月中旬以降に発売)

「ミュージックノートブック」1,890円(Pocket)/「ストーリーボード」1,890円(Pocket) アーティストの用途に合わせたレイアウトに。常にポケットにしのばせおけば、突発的に浮かんだ発想も逃さずに書き留めておける

今年は、新たなコレクション「Folio(フォリオ)」のシリーズも登場。これまでの最大サイズだったExtra Large(19×25cm)よりも大きなA4、A3サイズのシリーズで、横罫、無地のノートブック、6つのポケットからなるポートフォリオ、アート紙のスケッチブック、水彩画用アルバムの5種類をラインナップ。どれも伝統的な黒いハードカバーで綴じられていて、紙質にもこだわったハイクオリティな作りがポイントだ。

「プレーンノートブック」(無地)3,360円(A4)、4,410円(A3)/「ルールドノートブック」(横罫)3,360円(A4)/「ポートフォリオ」3,675円(A4)、5,670(A3) 2009年から新たに加わる「フォリオ」シリーズ。A4、A3サイズの大判ノートはMOLESKINE初。ポートフォリオは、ポケットの素材に耐久性のある特別な長繊維紙が使われていて、書類をしっかり保管してくれる(5月末発売予定)

「スケッチブック」3,675円(A4)、5,145円(A3)/「水彩画用アルバム」3,675円(A4)、5,145円(A3) 「フォリオシリーズ」の大判スケッチブックとアルバム。スケッチブックには高品質なアート紙を、アルバムには200g/㎡・コットン25%・中目紙肌の水彩紙を使用(5月末発売予定)

毎年のように新作が加わった結果、用途やサイズ、カバーの素材やカラー別に多彩に展開していて、現在のアイテム数は150種類以上。アーティストやクリエイターたちの細かな要望を吸収しながら、新しい1冊を生み出し続けるMOLESKINEのノートは、創作の場には欠かせない存在となっている。

その他、注目したいアイテムの数々

定番のノートやダイアリーのほかにも、さまざまなバリエーション、アイテムを生み出すMOLESKINE。そのなかからオススメのものを紹介してみよう。

「プロジェクトプランナー」1,575円(Pocket) ページがアコーディオン式になっていて、数か月分のスケジュールを俯瞰して確認できる。長期プロジェクトなどが多いというユーザーには最適な一冊(2010年度分は8月中旬以降に発売)

「パノラマダイアリー」1,680円(Pocket) 日付の印字のみだった定番ダイアリーに比べて、機能性を重視した新デザイン。週間スケジュールと一緒にTO doリストやメモ欄、月間カレンダーなどもレイアウトされているので、ダイアリーでしっかり仕事の管理したい人に(2010年度分は8月中旬以降に発売)

「ウィークリーダイアリー」2,310円(Pocket)、3,150円(Large) 定番の週間ダイアリー。1週間を縦に配列したホリゾンタル(写真左)と横型のバーチカル(写真右)がある(2010年度分は8月中旬以降に発売)

「デスクカレンダー」3,150円(Pocket) 日めくりカレンダー感覚で1日ずつ切り離して使うデスク用。MOLESKINEらしいすっきりとしたデザイン性が魅力(2010年度分は8月中旬以降に発売)

「ルールドブック」(横罫)2,415円(Pocket)/「スケッチブック」2,415円(Pocket) アムステルダムのゴッホ美術館プロデュースによる山東絹製のスペシャルカバー。ゴッホゆかりの6色展開に