ここまで美少女フィギュアの造形を進めてきました。改めて造形したパーツを眺めてみると、やや脚が少し長い気がします。そこで、少し縮めることにしました。脚全体というより、幸いなことに膝から下が長いようなので、修正は比較的楽です。短くすると、脚全体のアウトラインも変わってくるので、芯にしたエポキシパテと外側のスカルピーも含めて削り取ります。この作業は、ニッパーを使うととても簡単なのですが、思いがけない方向に割れてしまったり、クラックが入って後々ひび割れの原因にもなりかねないので、面倒ですがのこぎりやカッターで削っていくのが良いです。

脚部のバランスを修正

削り終わったら、芯も作り直します。軸足に残したアルミ線をコンパネの端材に差してバランスをとり、他の芯の部分と同じ種類のパテ(木工用エポキシパテ)を盛ります。コンパネ側に、離型剤になるものを塗布するのも忘れないようにしましょう。ちなみに、今回はベビーパウダーを使用しています

このように脚部が自然なポーズで見栄え良くなるように調整

芯が固まったら、スカルピーで修正します。次に靴をモールドしていきます。まずは、 靴の大まかなアウトラインとアタリを付けます。

いよいよ靴のモールド作成

これまでのように、焼き固めた後、靴のモールドを入れます。設定がリクルートシューズなので、シンプルなデザインです。次に、先ほどのアウトラインを目安に脚の先を削りこみます。

このように靴のモールドを入れた

次にスカート部分の造形です。スカート造形前に、スカートの中になって見えなくなる脚部を、耐水ペーパーなどで仕上げをしておきます。脚全体を仕上げてしまっても良いのですが、全体の造形作業が終了するまで、脚が「持ち手」になることが多く汚れやすいので、仕上げは後にします。

太ももに当たる部分を仕上げていく

今回はここまでです。次回、スカート部分の造形を、さらに進めます。

安藤賢司
バンダイ『S.I.C』シリーズなど、多数のハイエンドな玩具の原型を担当。「原型師がマスプロダクツ製品のパッケージに名前を刻まれる」という偉業を成し遂げ、「玩具原型」の認識を「作品」のレベルまで高めた。『S.I.C』シリーズ最新作の原型を常に製作中。アニメ『TIGER & BUNNY』のデザインにも参加

見えない部分も手を抜かない安藤の最強造形テクが次回も炸裂!