NECのACOS System 1000/IAP

NECは、当時のNECの汎用機の最上位モデルである「ACOS System 1000」にベクタ処理機構を付け加えた「ACOS System 1000/IAP」を1982年に発表した。

ACOS 1000/IAPも、汎用機のACOS 1000の命令を拡張してベクタ処理命令を付け加えるという構造である。ACOS 1000/IAPのピーク演算性能は28MFlopsであった。

NECのIAPはCDCのSTAR-100と同様なメモリ-メモリアーキテクチャのマシンであるが、DOループの中の中間結果の受け渡しは内部レジスタを使うようになっていた。しかし、ループの終わりの結果は自動的にメモリに書き込まれるという処理になっていた。

ACOS System 1000に使用されたマルチチップパッケージのセラミック基板のサイズは80mm×80mmで、最大200ゲートのECL LSIを最大60個搭載することができた。消費電力は55Wである。

  • NECのACOS System 1000に使われたマルチチップパッケージ

    図2.7 NECのACOS System 1000に使われたマルチチップパッケージ (出典:情報処理学会 コンピュータ博物館)

(次回は4月26日の掲載予定です)