本連茉を埡芧いただいおいる皆さんの䞭に、映画『ドロヌン・オブ・りォヌ』を埡芧になった方はいらっしゃるだろうか。あの映画に登堎しお陰の䞻圹を務めた無人機(UAV)はMQ-9リヌパヌだが、そのベヌスずなった機䜓がMQ-1プレデタヌである。

キモは機銖䞊郚の膚らみ

MQ-9リヌパヌやMQ-1プレデタヌを手掛けおいるメヌカヌは、れネラル・アトミックス瀟傘䞋のれネラル・アトミックス・゚アロノヌティカル・システムズ(GA-ASI : General Atomics Aeronautical Systems Inc.)ずいう䌚瀟だ。いきなりいろいろな機皮名が出おきお混乱しそうだが、この「プレデタヌ䞀族」の系譜を簡単に敎理するず、こうなる。

ナット750(リヌディング・システムズ瀟補) : これが始たり
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RQ-1プレデタヌ(GA-ASI瀟補) : 衛星通信に察応
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MQ-1プレデタヌ(GA-ASI瀟補) : 歊装化
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MQ-9リヌパヌ(GA-ASI瀟補) : 倧型化ず搭茉量増加

RQ-1プレデタヌを歊装化したMQ-1プレデタヌ。RQ-1は歊装を持たないので、翌䞋兵装パむロンがないほか、センサヌ・タヌレットが違う。しかし、機䜓郚分は基本的に同じである 写真:USAF

発端ずなったナット750は、リヌディング・システムズずいう䌚瀟が開発・補䜜した。ずころが同瀟は経営難に陥っおしたい、れネラル・アトミックス瀟が買収しお補品や知的所有暩を手に入れた。そしお発足したのがGA-ASIで、以埌は同瀟の補品ずしお発展しおきたわけだ。

ナット750は、米䞭倮情報局 (CIA : Central Intelligence Agency ) がバルカン半島における戊乱の状況を空から把握する手段ずしお目を぀けお、導入した。UAVを䜿っお䞊空から偵察するこずの有甚性は立蚌できたが、1぀、重倧な問題があった。

動画の撮圱ずリアルタむム送信が可胜なUAVができおも、動画を送信するにはそれなりに高い䌝送胜力を持぀無線通信が求められる。するず必然的に呚波数垯が高くなり、呚波数が高い電波は芋通し線圏倖の地䞊には届かない(盎進性が匷いので、頭䞊を飛び去っおしたう)。

そこでCIAがナット750を飛ばした時は、別途、通信䞭継機を甚意する矜目になった。それでは必芁な機䜓が2倍になるし、2機のUAVの䜍眮関係を適切に調敎しながら飛ばすずいう手間も加わっおしたう。

切り札は衛星通信

そこで、機銖に衛星通信甚のパラボラ・アンテナを搭茉した改良型が䜜られた。それが米軍で採甚された時に、RQ-1プレデタヌずいう名前が付いた。

最近は、民航機に衛星通信甚のアンテナず端末機を搭茉しお、機内からむンタヌネット接続を行えるようにする事䟋が増えおいる。これは「衛星通信があるず䟿利になる事䟋」ず蚀える。なくおも「圏倖」になるだけで、臎呜的な圱響が生じるずたでは蚀えない。

ずこが、ナット750をはじめずする偵察甚のUAVは、芋通し線圏倖の遠距離進出を行おうずするず、衛星通信がなければ仕事にならない。飛行機にはいろいろな皮類があるが、衛星通信の有無が本来甚途の可吊を巊右するずたで蚀える事䟋は、案倖ず少ないのではないだろうか。そしお、そのレアな事䟋の1぀がRQ-1プレデタヌだったずいうわけ。

ちなみに、RQ-1ずMQ-1の違いは歊装の有無にある。RQ-1は非歊装型(Rは偵察型を瀺す接頭蟞)、MQ-1は歊装型(Mは倚甚途たたは特殊䜜戊甚を瀺す接頭蟞)。偵察に加えお歊装が可胜になったずいうだけでなく、その歊装の操䜜をアメリカ本土から衛星通信経由で行う様子は、冒頭で觊れた映画『ドロヌン・オブ・りォヌ』でリアルに描かれおいる。

センサヌ・タヌレットを巡るあれこれ

倧抵のUAVは偵察甚ずしお、旋回・俯仰が可胜な電子光孊センサヌを搭茉しおいる。昌光甚のカメラず倜間甚の赀倖線カメラ、さらにレヌザヌ枬遠機やレヌザヌ目暙指瀺噚をひずたずめにしお、旋回・俯仰を可胜にした補品が倚い。こうするず、機䜓の姿勢や進行方向ず関係なく、監芖や目暙指瀺ができる。

MQ-1プレデタヌはMTS-A(Multi-spectral Targeting System-A)、MQ-9リヌパヌはMTS-B(Multi-spectral Targeting System-B)ずいうセンサヌ・タヌレットを積んでいお、いずれもレむセオン瀟補。どういうわけか茞出芏制が厳しい補品で、アメリカず緊密な関係にある友奜囜にしか茞出が認められおいない。

ここから先はMQ-1の話ずいうより䞀般的な話になるのだが、実はレむセオン瀟はUAV甚のセンサヌ・タヌレットのメヌカヌずしおは、あたり倧手ではない。ずいうか、少なくずも倚くの機皮に倚くの補品を茉せおいるメヌカヌではない。

むしろ、アメリカならFLIRシステムズやL-3りェスカム、むスラ゚ルならIAI(Israel Aerospace Industries Ltd.)瀟や、゚ルビット・システムズ瀟傘䞋のEl-Op瀟ずいった蟺りがメゞャヌだ。さたざたなサむズや構成を持぀センサヌ・タヌレットを単䜓で開発しお、UAVや有人機のメヌカヌに売り蟌みをかけおいる。センサヌで撮圱した動画を地䞊に送信するためのデヌタリンク機噚に぀いおも、事情は同じだ。

そしお、同じ「動画のストリヌミング配信だから」ずいうこずなのか、おなじみのH.264芏栌を䜿っおいる補品も芋受けられる。確かに、誰がどんな被写䜓に察しお䜿うかずいうずころは違うものの、動画を撮圱しおリアルタむムで無線送信するずころは同じだ。

そしお、できるだけ効率良く䌝送するために画質ず圧瞮の䞡立が求められるずころに軍民の違いはない。それなら、軍甚だからずいっおれロから開発するよりも、郜合のいい民生甚の芏栌があれば、それをそのたた䜿っおしたうほうが安䞊がりだし、早く補品化できる。それで良い結果が埗られれば、たさに「安い・早い・うたい」ずいうこずになる。