9月中旬から、OpenAIによる新機能の発表ラッシュが続いています。ソフトウェア開発支援に特化したプログラミング専用モデル「GPT-5-Codex」、ChatGPTの「Agent」モード、年次開発者会議「DevDay 2025」では「Apps in ChatGPT」や新しくSora 2などのAPIも発表されました。ChatGPTのプロジェクト機能が無料開放され、分岐チャット作成機能「Branch in new chat」も追加されています。→過去の「柳谷智宣のAIトレンドインサイト」の回はこちらを参照。
そんな中、9月25日には「ChatGPT Pulse」が発表されました。まずは、プレビュー版として、ChatGPT Proユーザーのモバイルアプリ向けにリリースされています。
ChatGPTが前日の夜にリサーチを行い、チャットやフィードバック、連携アプリのデータに基づいてパーソナライズされた最新情報を記事化して通知してくれる、というものです。なかなか便利な機能なので、今回はChatGPT Pulseについて紹介します。
ChatGPT Pulseの使い方
まずは、ChatGPTのメニューから「おすすめ」をタップします。今のところは、ChatGPT Proユーザーのスマホアプリにしか表示されません。初回のみ、ChatGPT Pulseの紹介画面が開き、「次へ」をクリックすると、フィードが表示されます。
次回からは、ChatGPTを開くと中央に「本日のおすすめ」が表示されます。OpenAIはChatGPT Pulseを次世代の情報収集ツールとして位置づけているのかもしれません。
さまざまな記事がフィードに表示されているので、気になるサムネイルをタップしてみましょう。記事の本文が表示されます。ChatGPTがまとめたもので、2500文字ほどのサクッと読むのにちょうどよい分量になっています。
通常のChatGPTと同様、出力に関して、追加情報を出させたり、内容に関して質問することができます。画面右上にあるブックマークアイコンをタップすると、ChatGPTの会話履歴にも表示されるようになります。「…」メニューからは出力を他のアプリに共有することが可能です。
記事の下部には、Good/Badボタンも用意されています。ここで評価すると、今後の学習に反映され、より望む記事が表示されるようになります。
下にスクロールすると、途中で関心のあるものを選択することができます。自分が読みたい項目を選んだり、フォームに入力しておくと、今後の記事作成に反映されます。
ChatGPTのコネクタ機能も利用可能
ChatGPT PulseはChatGPTのコネクタ機能も利用できます。GmailやGoogleカレンダーとの連携を許可すれば、自動で情報をチェックし、有益なインサイトを提供してくれます。もちろん、この機能はデフォルトで無効になっており、ChatGPT Pulseのフィード内から明示的に許可することで利用できるようになります。
筆者は、連携を許可しているのですが、きちんと翌日の予定を見て、アドバイスをもらえています。例えば「連載会議」という予定が入っている日には、新規のAI関連ネタをアジェンダとして提供してくれました。
実際、AI連載のネタ会議なので、適切なインサイトなのですが、カレンダーには「連載会議」以外の情報は一切登録していません。チャット履歴や接続済みのアプリなど、何か他の情報から、分析したのでしょうか。ちょっと怖いほど優秀ですね。
そして、スクロールしていくと、予定の詳細や出席状況が表示されています。Googleカレンダーから取得したものですが、招待されているユーザーのうち、一人が未回答でした。そこで、ChatGPTはリマインドメールの下書きまで作ってくれました。この至れり尽くせり具合には驚きです。
最後にはアジェンダを会議用にスライドにしたり、追加の情報を調査したりすることもできるので、指示してくれといった提案で締めくくられます。
指定した日時に、ChatGPTに特定の処理をさせて出力を通知させる、という作業をするなら、「タスク」機能でも似たようなことはできます。これまで筆者も毎日、AIニュースやサイバーセキュリティ関連のニュースをまとめてもらっていました。
しかし、ChatGPT Pulseはバリエーション豊かな情報を提示してくれます。メールやカレンダーとの連携もなかなか賢く、活用度は高いです。ニュースをキュレーションしてくれるアプリやサービスは多々ありますが、ChatGPT Pulseの提案もなかなかのレベルです。
記事は全部で十数個ですが、これらは次の日には消えます。これが、またChatGPT Pulseの凄いところです。せっかく生成したなら、蓄積するのが普通だと思いますが、ユーザーが情報の海に溺れないよう、常に最新の記事だけを提案してくれます。本当に必要な記事があるなら、自分でブックマークすればいいのです。
最後まで読むと、「明日のおすすめを調整」ボタンが現れます。自分が明日読みたい情報について、なんでも指示しておきましょう。無理な内容なら対応してくれないだけです。試しに、筆者の名前を入れて、この人物について知りたいと入れましたが、翌日の記事ではスルーされました。
OpenAIはホームページで「ChatGPTに入力するプロンプトを考えるのをユーザーに強いてきた」と述べ、ChatGPT Pulseがユーザーに代わって事前に作業するアシスタントとなると言っています。もはやプロンプトを入力するまでもなく、ChatGPTがユーザーをおもんぱかってくれるのです。
現在は、ChatGPT Proユーザーのスマホアプリ版のみの提供となりますが、今後はデスクトップ版に展開される予定です。もちろん、時間が経てば、ChatGPT Plusや無料プランに提供される可能性もあるので期待して待ちましょう。
ChatGPT Proユーザーは、ぜひChatGPT Pulseを使ってみてください。想像以上に快適な情報収集ツールなので、手放せなくなること請け合いです。











