前回(本連載第13回)紹介したタブ位置は、厳密には「左揃え」のタブ位置となる。このほかにも「中央揃え」や「右揃え」、「小数点揃え」といったタブ位置が用意されている。今回は、これらのタブ位置の使い方、ならびにルーラーを利用してタブ位置を移動する方法について紹介しよう。
文字の揃え方を指定するタブ位置
前回は、タブ位置を使って“文字の先頭”を揃えて配置する方法を紹介した。このタブ位置は、厳密には「左揃え」のタブ位置となる。このほかにも「中央揃え」や「右揃え」、「小数点揃え」といったタブ位置が用意されている。今回は、これらのタブ位置の使い方を紹介していこう。
タブ位置の設定画面には「配置」に関する設定項目が用意されている。ここで配置方法を指定してから「設定」ボタンをクリックすると、「中央揃え」や「右揃え」、「小数点揃え」といったタブ位置を指定できる。
まずは、タブ位置の種類に応じて「文字の配置がどのように変化するか?」を紹介しておこう。以下の図は、10字の位置に「左揃え/中央揃え/右揃え」のタブ位置を指定した例だ。それぞれ10字の位置を基準に、タブ以降の文字が「左揃え/中央揃え/右揃え」で配置されていることを確認できるだろう。
「小数点揃え」のタブ位置は、数値を整列させて並べるときに利用する。以下の図は、10字の位置に「小数点揃え」のタブ位置を指定した例だ。この場合、小数点が10字の位置に来るように数値が配置されていく。なお、タブ以降の文字が“小数点以下を含まない数値”または“通常の文字”で会った場合は「右揃え」と同じ配置になる。
これらの基本を踏まえたうえで、「右揃え」などのタブ位置の具体的な活用例を紹介していこう。
右揃え/左揃えのタブ位置を使った文字の配置例(1)
ここでは、タブ位置を使って「製作スタッフの一覧」を整列させる場合を例に、具体的な設定手順を紹介していこう。今回は、ProducerやDirectorなどの肩書きを「右揃え」、氏名を「左揃え」で配置する。以下の図のようにタブを入力し、これらの段落を選択した状態で「段落」グループの右下にある「小さい四角形」をクリックする。
「段落」ダイアログが表示されるので、「タブ設定」ボタンをクリックする。ここまでの操作手順は前回と同じだ。
さっそく、1番目のタブ位置を指定してみよう。このタブ位置は、ProducerやDirectorなどの肩書きを「右揃え」で配置するものとなる。ここでは6字の位置を基準に文字を配置してみよう。タブ位置に「6」と入力し、配置に「右揃え」を選択してから「設定」ボタンをクリックする。
これで1番目のタブ位置を指定できた。続いて、2番目のタブ位置を指定していこう。こちらは、氏名を「左揃え」で配置するものとなる。こちらは、先ほどのタブ位置(6字)から1文字分だけ空けた、7字の位置にタブ位置を指定することにする。タブ位置に「7」と入力し、配置を「左揃え」に戻してから「設定」ボタンをクリックする。
これで2番目のタブ位置を指定できた。念のため、設定内容を確認しておこう。指定したタブ位置をクリックして選択すると、その設定内容に応じて画面の表示が変化する。
以下の図は「6字」の位置に指定したタブ位置を選択した例だ。配置に「右揃え」が選択されていることを確認できるだろう。同様の手順で、「7字」の位置に指定したタブ位置が「左揃え」になっていることを確認してから「OK」ボタンをクリックする。
タブ位置が適用され、文字の配置が以下の図のように変化する。肩書きは「6字」の位置を基準に「右揃え」、氏名は「7字」の位置を基準に「左揃え」で配置されていることを確認できる。
このように「右揃え」のタブ位置の使い方も学んでおくと、さまざまなバリエーションで文字を整列させることが可能となる。
右揃え/左揃えのタブ位置を使った文字の配置例(2)
似たような例になるが、もうひとつ例を紹介しておこう。先ほどの例と異なる点は、肩書きの後に「:」が追加されていることだ。
これらの段落を選択した状態で「段落」ダイアログを呼び出し、「タブ設定」ボタンをクリックする。
さっそく、1番目のタブ位置から指定していこう。今回の例は、肩書きの後に「:」が追加されているので、先ほどの例より1文字分だけ右側にずらした7字の位置にタブ位置を指定する。タブ位置に「7」と入力し、配置に「右揃え」を選択してから「設定」ボタンをクリックする。
続いて、2番目のタブ位置を指定する。こちらは「:」の直後から文字を開始したいので、7字の位置に「左揃え」のタブ位置を指定するのが理想的だ。しかし残念ながら、それは実現できない。というのも、同じ位置に2つのタブ位置を指定するのは不可という仕様になっているからだ。よって、少しだけずらして、7.15字の位置に「左揃え」のタブ位置を指定することにした。
このように0.15字くらいの差をつけてやると、似たような位置に2つのタブ位置を指定することが可能となる。それぞれの設定内容を確認してから「OK」ボタンをクリックする。
結果は以下の図のとおり。イメージを把握しやすいように、今回は編集記号を非表示にした状態で画面を掲載しておこう。肩書きは「7字」の位置を基準に「右揃え」、氏名は「7.15字」の位置を基準に「左揃え」で配置されている。
理論上は「:」の右側の余白が0.15字分だけ広くなってしまうが、この程度であれば許容範囲と考えられるだろう。むしろ、タブを使わずに上図と同じような配置を実現するとなると、それなりの工夫を強いられるはずだ。
見た目はシンプルなのに、いざ実現しようとすると意外と難しい、というのが上図に示した例だ。そのほか、“罫線なしの表”を利用して配置する方法なども考えられるが、文字を思い通りに配置するテクニックの一つとして、タブの活用方法も学んでおくとよいだろう。
ルーラーを使ったタブ位置の移動
タブ位置を利用する際に少し面倒に感じるのが、「何字の位置にタブ位置を指定すればよいか?」という問題だ。そこで適当に設定したタブ位置を後から移動する方法を紹介しておこう。
以下の図は、10字の位置に「右揃え」のタブ位置、15字の位置に「左揃え」のタブ位置を設定した例だ。これらのタブ位置を移動したいときは、対象となる段落を選択した状態でルーラーに表示されるアイコンを左右にドラッグすればよい。
すると、タブ位置が移動され、それに合わせて文字の配置も変更される。このように、とりあえず適当な位置にタブ位置を設定し、後から目分量で位置を調整する、といった使い方もある。
なお、タブ位置を移動した後に「段落」ダイアログ→「タブの設定画面」を開くと、上記の方法で移動したタブ位置は“キリのよい数値”になっていないことを確認できる。
とはいえ、見た目が整っているのなら、タブ位置が“キリの悪い数値”であっても特に問題はないはずだ。タブ位置を計算するのが苦手な人は、この方法でタブを活用してもよい。
タブ位置の削除
念のため、設定したタブ位置を削除するときの操作手順も紹介しておこう。タブの設定画面で操作するときは、削除したいタブ位置を選択して「クリア」ボタンをクリックすればよい。その後、「OK」ボタンをクリックすると、タブ位置の削除が確定される。
ルーラーで操作するときは、タブ位置のアイコンを「ルーラーの外」へドラッグすればよい。これで、そのタブ位置を削除できる。
タブ位置を間違って設定してしまった場合などに必要となる操作なので、あわせて覚えておくとよいだろう。
タブ位置の微調整
最後に、タブ位置を“キリのよい数値”に変更するときの操作手順を紹介しておくこう。以下の図は、ドラッグ操作によりタブ位置を移動した様子だ。現時点では、タブ位置は“キリの悪い数値”になっている。このままでも何ら問題はないが、なかには「整った数値でないと気持ち悪い……」という几帳面な人もいるだろう。
設定済みのタブ位置(位置を示す数値)を後から変更できれば便利なのだが、そのような機能は用意されていない。よって、新たにタブ位置を設定しなおすことで対応する。タブの設定画面を開き、以下のように操作する。
- (1)数値を変更したいタブ位置を選択する
- (2)そのタブ位置の設定内容(配置など)が画面に反映される
- (3)この状態で新しいタブ位置を入力する
- (4)「設定」ボタンをクリックする
上図の場合、6.75字に最も近い整数は7字になるので「7」と入力して「設定」ボタンをクリックする。すると、以前と同じ「右揃え」のタブ位置を7字の位置に追加できる。これを初めからあったタブ位置の代用として利用する。
あとは不要になった6.75字のタブ位置を削除するだけ。タブ位置を選択し、「クリア」ボタンをクリックして削除する。
同様の手順で、7.67字のタブ位置を8字の位置に差し替えると、以下の図のようになる。これで作業は完了。「OK」ボタンをクリックする。
上記のように操作すると、タブ位置を“キリのよい数値”に微調整できる。考え方としては、もともとあったタブ位置を変更するのではなく、近い位置に同じ設定の“新しいタブ位置”を追加し、その後“もとのタブ位置”を削除する、という手順になる。
ただし、微調整する距離が近すぎると上手くいかない。この場合は、もともと設定されていたタブ位置を削除してから、新たにタブ位置を設定しなおさなければならない。少し使いづらい部分もあるが、タブ位置を微調整する方法として覚えておくと役に立つだろう。






















