WindowsのIME(日本語入力環境)は「Microsoft IME」だけでなく、他のIMEを追加インストールして使用することもできる。そこで今回は「Google 日本語入力」をIMEとして使う方法と、MEの切り替え方について紹介していこう。
Google 日本語入力の特長
「Google 日本語入力」はGoogleが開発した、誰でも無料で使用できる日本語入力環境(IME)だ。Windowsには日本語入力環境として「Microsoft IME」が標準装備されているが、それ以外のIMEを使うこともできる。つまり、IMEは「各自の好みに応じて自由に変更できる」という仕様になっている。
ということで、まずはGoogle 日本語入力の主な特長から紹介しよう。公式サイトの紹介文を要約すると、Google 日本語入力には以下のような特長を備えているようだ。
◆特長1:便利な補完機能
よく使うフレーズをGoogle 日本語入力が記憶し、最初の数文字をタイピングするだけで自動補完してくれる(サジェスト機能)。人前でパソコンを使用する場合に備えて、学習効果を無効化するシークレットモードも用意されている。
◆特長2:常にアップデートされる辞書
Webで使われている膨大な用語をもとに辞書を作成しているため、珍しい人名や地名、難しい専門用語にも対応できる。この辞書は定期的に自動更新されていく。
◆特長3:安全で快適なソフトウェア品質
日本語入力のスピード、安定性、セキュリティに配慮し、快適かつ安全なIMEが提供されている。
そのほか、絵文字や顔文字の入力、計算機能など、Google 日本語入力ならではの特長も数多く備わっている。
一般的には、最新用語やトレンドに強く、多少のタイプミスがあっても自動補完してくれるIMEとして人気を集めているようだ。ただし、各ユーザーの好みによる部分も大きいため、Microsoft IMEとGoogle 日本語入力のどちらが優れているかを即座に判断することはできない。
これについては、それぞれの得意分野を見極めながら、各自で判断していくしかないだろう。学習機能の優劣まで含めると、それなりの期間にわたって試してみないと「どちらが自分に向いているか?」を判断できないと思われる。そのためにも「まずは使ってみること」が大切だ。
なお、Webをベースに辞書が作成されているため、「タイピングした文字がそのつどサーバーに送信されるのでは?」と勘違いしている方もいるようだが、実際にはそうではない。Google 日本語入力はローカル環境で動作する仕様になっており、オフラインの状態でも問題なく使用できる。そして、定期的に自動アップデートされるタイミングで辞書も一緒に更新されていく仕組みになっている。
Google 日本語入力のインストール手順
それでは、Google 日本語入力の導入手順を紹介していこう。ブラウザでGoogle 日本語入力のWebサイトを開き、「Windows版をダウンロード」をクリックする。
※macOSを使用している場合は「Mac版をダウンロード」をクリックする。
利用規約が表示されるので、内容を確認してから「同意してインストール」ボタンをクリックする。
自動的にインストーラーのダウンロードが開始される。ダウンロードが完了したら、以下の図に示したアイコンをクリックして「ダウンロード」フォルダを開く(もしくは自分で「ダウンロード」フォルダを開いてもよい)。
「ダウンロード」フォルダを開くと、「GoogleJapaneseInputSetup.exe」というファイルが保存されているのを確認できるはずだ。このファイルをダブルクリックして起動する。続いて「ユーザーアカウント制御」が表示された場合は、「はい」ボタンをクリックしてインストールを開始する。
インストールが完了すると、以下の図に示したような確認画面が表示される。それぞれの設定項目は、各自の好みに応じてオン/オフを指定すればよい。
以上でGoogle 日本語入力のインストールは完了。タスクバーにGoogle 日本語入力のアイコンが表示される。
日本語入力の操作
これでGoogle 日本語入力を使用できるようになった。念のため、基本的な操作方法を説明しておこう。
入力モードの切り替え方法はMicrosoft IMEと同じで、「半角/全角」キーを押すごとに半角入力モード(IMEオフ)と全角入力モード(IMEオン)が入れ替わる仕組みになっている。
現在の入力モードは、タスクバーの右下にあるアイコン表示で確認できる。ここに白抜き文字で「A」と表示されている場合は半角入力モード(IMEオフ)、「あ」と表示されている場合は全角入力モード(IMEオン)となる。
そのほか、「カタカナ ひらがな」キーでIMEをオンにする、「Caps Lock」キーで「半角英数/ひらがな」を切り替える、といった操作にも対応している。
また、入力モードを切り替えたときに“現在の入力モード”をポップアップ表示する機能も装備されている。このため、現在の入力モードを勘違いしてしまう可能性は低い。この点はMicrosoft IMEよりも親切な設計といえるだろう。
文字入力の操作手順もMicrosoft IMEと基本的に同じだ。文字のタイピングを始めると、その文字で始まる予測候補(サジェスト)が一覧表示される。これらの候補は「Tab」キーや「↑/↓」キーで選択できる。
さらに「Tab」キーや「↓」キーを押していくと、予測候補が最大で9個まで一覧表示される。その後も「Tab」キーや「↓」キーを押し続けていくことで、2ページ目以降の予測候補が表示されていく仕組みになっている。
タイピング後に「Space」キーを押した場合は、その文字を漢字変換できるようになる。こちらもMicrosoft IMEと同様の操作手順になる。以下の図のように、使い分けが難しい単語の用例が表示されるケースもある。
ただし、ここに表示される変換候補は最大9個まで。Microsoft IMEのように「Tab」キーを押して最大36個まで増やす、といった操作には対応していない。
そのほか、「F7」キーでカタカナに変換、「F10」キーで半角英数に変換など、ファンクションキーの使い方もMicrosoft IMEと同じ操作方法になっている。
このように基本的な操作方法はMicrosoft IMEとほぼ同じであるため、Google 日本語入力に乗り換えても特に違和感なく操作できると思われる。
使用するIMEの切り替え方法
WindowsにGoogle 日本語入力をインストールすると、Microsoft IMEとGoogle 日本語入力の両方を使用できるようになる。続いては、IMEを切り替えるときの操作手順を紹介していこう。
タスクバーに表示されているGoogle 日本語入力のアイコンをクリックし、「日本語 Microsoft IME」を選択する。
すると、IMEがMicrosoft IMEに切り替わり、これまでと同じ日本語入力環境を使用できるようになる。以下の図に示したように「J」のアイコンが表示されていれば、現在のIMEはMicrosoft IMEになっている。
もちろん、IMEの変更はいつでも実行できる。Microsoft IMEのアイコンをクリックして「日本語 Google 日本語入力」を選択すると、IMEをGoogle 日本語入力に切り替えられる。
このように、IMEの変更は簡単なマウス操作で実現できるようになっている。従来のMicrosoft IMEもそのまま使えるため、安心してGoogle 日本語入力の導入に踏み切れるだろう。
ショートカットキーを使ったIMEの切り替え
そのほか、「Windows+Space」キーや「Ctrl+Shift」キーを押してIMEを切り替えることも可能となっている。こちらの方が手軽にIMEを切り替えられるので、この操作方法も覚えておくとよい。
ただし、Google 日本語入力のインストール時に「Ctrl+Shift」キーを無効化した場合は、このショートカットキーは動作しなくなる。そこで、この設定を後から変更するときの操作手順を補足しておこう。
IMEをGoogle 日本語入力に切り替える。続いて、「A」または「あ」のアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択する。
Google 日本語入力の設定画面が表示されるので、「その他」タブを選択し、「ホットキー(Ctrl+Shift)によるIMEの切り替えを無効化する」をオフにする。その後、「OK」ボタンをクリックすると、「Ctrl+Shift」キーによるIME切り替えが機能するようになる。
以上がGoogle 日本語入力を導入する際に覚えておくべき基本操作だ。あとは実際にGoogle 日本語入力を試しながら、その使い勝手を検証していくだけ。
ということで、次回はMicrosoft IMEとGoogle 日本語入力の変換機能を比較する検証実験を行ってみよう。こちらも参考にして頂ければ幸いだ。





















