今回は、Webページの「タイトル」と「URL」をクリップボードにコピーしてくれる拡張機能を比較・検証していこう。極めて単純な機能でしかないが、使い方によっては便利に活用できる場面もある。気になる方は試してみるとよいだろう。
ページタイトルとURLをコピーするだけの拡張機能
今回は、閲覧しているWebページの「タイトル」と「URL」をクリップボードにコピーしてくれる拡張機能として、「Copy URLs」と「TitleUrlCopy」の使い勝手を比較・検証していこう。
WebページのURLは、拡張機能を使わなくても簡単にコピー&ペーストできる。ただし、URLを羅列しただけでは、それぞれのURLが「どのWebページを示しているか?」を判別しづらくなってしまう。Webページのタイトルも一緒に追加しておけば、もっと見やすいリストに仕上げられるが、そのためには「タイトルの文字を自分で入力する」という手間をかけなければならない。
こういった手間を省略してくれるのが、今回紹介する拡張機能だ。たった、これだけの機能でしかないが、便利に活用できる場面もあると考えられる。
たとえば、資料となるWebページをメールに記載して送信する場合、もしくは自分用にメモしたりする場合などに、こういった拡張機能が役に立つと思われる。また、「定期的に巡回するWebページのリスト」を作成する際にも重宝する存在となる。これについては、次回の連載で紹介する拡張機能と組み合わせて使うと、より威力を発揮するだろう。
ということで、今回は「Copy URLs」と「TitleUrlCopy」の使い方を紹介していこう。
「Copy URLs」の使い方
まずは、「Copy URLs」の使い方を紹介する。拡張機能の追加手順はいつもと同じ。「Copy URLs」の紹介ページの右上にある「Chromeに追加」をクリックする。続いて、「拡張機能を追加」ボタンをクリックするとインストールが完了する。
続いて、以下のような画面が表示されるが、この画面は「Copy URLs」の使い方を紹介しているだけなので、そのまま閉じてしまって構わない。
使い勝手をよくするために「Copy URLs」のアイコンをツールバーに固定しておこう。「拡張機能」のアイコンをクリックし、「Copy URLs」のピンをONにする。
以上で準備作業は完了。さっそく、「Copy URLs」を試してみよう。ここでは、3つのタブを同時に開いた状態で「Copy URLs」の動作を検証していく。ツールバーに固定した「Copy URLs」のアイコンをクリックする。
すると、「コピーする内容」を指定する画面が表示される。最初は、Formatに「URLs only」が選択されているため、各タブに表示されているWebページの「URL」だけをコピーする設定になっている。画面上部にあるプレビューに「3つのURL」が並んでいるのを確認できるだろう。
Webページの「タイトル」を含めた形でコピーするには、Formatを「Title and URL」に変更しなければならない。すると、「タイトル」と「URL」を改行で区切ったプレビューに切り替わる。
コピー先をExcelにするときは、Formatに「CSV」を選択するとよい。この場合は、「タイトル」と「URL」を「,」(コンマ)で区切った形式でコピーできるようになる。
そのほか、「HTML」や「JSON」といった形式も用意されている。さらに「Custom」を選択して、コピーする内容の形式を自分でカスタマイズすることも可能となっている。
形式を選択できたら「Copy to Clipboard」ボタンをクリックする。これで、いま開いているWebページの「タイトル」と「URL」をクリップボードにコピーできる。
あとは、各自の用途に合わせて利用していくだけ。コピーした内容は「Ctrl」+「V」キーを押すと、文書に貼り付けることができる。以下の図は「Title and URL」の形式でコピーした内容をWordに貼り付けた例だ。この形式は、メールの本文に「タイトル」と「URL」を貼り付ける場合などにも活用できる。
コピー先がExcelで「タイトル」と「URL」を横に並べて配置したいときは、「CSV」の形式を選択しておくのが基本だ。ただし、単純に「Ctrl」+「V」キーを押しただけでは上手くいかない。貼り付けた後に「貼り付けのオプション」をクリックし、「テキスト ファイル ウィザードを使用」を選択する必要がある。
「テキスト ファイル ウィザード」が表示されるので、「コンマやタブなどの区切り文字によってフィールドごとに区切られたデータ」が選択されていることを確認し、「次へ」ボタンをクリックする。続いて、区切り文字に「コンマ」だけを指定してから「完了」ボタンをクリックする。
これでWebページの「タイトル」と「URL」をそれぞれ別のセルに格納できる。タイトルは文字数が多くなりがちなので、1列目に「折り返して全体を表示する」を指定しておくと見やすいリストになるだろう。
このように「Copy URLs」を使うと、「タイトル」と「URL」をまとめてコピーすることが可能となる。複数タブの一括取得にも対応しているし、コピーするときの形式も自由に指定できるようになっている。
「TitleUrlCopy」の使い方
続いては、もうひとつの拡張機能となる「TitleUrlCopy」について紹介していこう。こちらの拡張機能も、いつもと同じ手順で追加できる。具体的には「TitleUrlCopy」の紹介ページの右上にある「Chromeに追加」をクリックし、「拡張機能を追加」ボタンをクリックすればよい。
これで準備作業は完了。こちらはショートカットキーを使ってコピーする仕組みになっているため、アイコンをツールバーに固定しておく必要はない。
使い方はとっても簡単で、文字や画像を選択していない状態で「Ctrl」+「C」キーを押すだけ。これで現在のWebページの「タイトル」と「URL」をクリップボードにコピーできる。
念のため、どのような形式でコピーされているかを確認しておこう。以下の図は、コピーした内容をWordに貼り付けた例だ。Webページの「タイトル」と「URL」が改行した形式で貼り付けられているのを確認できるだろう。
ただし、コピーされるのは「アクティブなタブ」に表示されていたWebページだけとなる。「TitleUrlCopy」の紹介ページには、「Ctrl」+「C」+「X」キーで全タブの情報を一括コピーできる、と記されているが、筆者の環境では正しく機能してくれなかった。「Ctrl」+「C」+「X」キーを押しても「アクティブなタブ」がコピーされるだけで、「非アクティブなタブ」からは情報を取得できなかった。
もしかしたら、Chromeのバージョンによって動作の可否が異なるのかもしれない。もしくは、「C」と「X」のキーを押す順番やタイミングに決まりがあるのかもしれないが、色々と試してみても上手く機能してくれなかった。
以上が「TitleUrlCopy」の基本的な機能となる。簡単な設定画面も用意されているので、こちらも紹介しておこう。設定画面を開くときは、以下の図のように操作すればよい。
この設定画面では、コピーする内容を「タイトルのみ」または「URLのみ」に変更することが可能となっている。その下にある「Copy all tag information」の項目は、複数タブへの対応をON/OFFする設定項目と思われるが、もともと複数タブのコピーは正しく動作してくれなかったので、この項目については検証できなかった。
「Copy URLs」と「TitleUrlCopy」の比較
これまでに紹介してきたように、機能面においては「Copy URLs」の方が圧倒的に優れているように思われる。複数タブからの一括取得にも対応しているし、コピーの形式を選択することも可能となっている。
では、「Copy URLs」の一択でよいかというと、そうでもない。「TitleUrlCopy」にも利点はある。それはショートカットキーだけで使用できることだ。いちいち「アイコンをクリックして、設定を変更し……」といった操作を行わなくても、「Ctrl」+「C」キーだけで即座に使えるのは大きな利点といえる。
よって、「どちらを選択したらよいか?」は、各自の使い方に応じて判断が分かれる。複数タブからの一括取得、Excelへのコピー&ペースト、などが必要な場合は「Copy URLs」を選択するべきだ。「TitleUrlCopy」では、求めている機能を満たしてくれない。そうではなく、“操作の手軽さ”を優先するのであれば「TitleUrlCopy」の方が適している。以上が大雑把な結論になるだろう。
なお、拡張機能を使わずに「タイトル」と「URL」をコピーする方法もある。URLのコピーは、アドレス欄に表示されている文字を選択して「Ctrl」+「C」キーを押すと実行できる。問題はWebページの「タイトル」だ。
こちらは、Chromeのブックマーク機能を応用してコピーすればよい。その手順は、以下のとおり。
(1)アドレス欄の右端にある☆をクリックする
(2)Webページの「タイトル」が選択された状態でブックマークの追加画面が表示されるので、そのまま「Ctrl」+「C」キーを押す
(3)「削除」ボタンをクリックし、ブックマークへの追加をキャンセルする
上記のように操作すると、Webページの「タイトル」をクリップボードにコピーすることが可能となる。この場合、タイトル文字を自分で入力する必要はない。ただし、「タイトル」と「URL」をそれぞれ個別にコピー&ペーストしなければならないため、1つのWebサイトにつきコピー&ペーストを2回ずつ繰り返す必要がある。よって、拡張機能を使った方が快適である。どの方法を採用するかは、各自の使い方に応じて判断するとよいだろう。
なお、次回の連載で紹介する拡張機能と組み合わせて使用すると、「定期的に確認するWebページ」を一瞬で開くことも可能となる。作業の効率化して、時短につながる可能性もあるので、あわせて覚えておくとよいだろう。