米Googleは4月8日(現地時間)、クラウド型のプログラミング環境である「Google Colab(以下、Colab)」に、AIアシスタント「Gemini」との連携を強化する2つの新機能、「カスタム指示(Custom Instructions)」と「学習モード(Learn Mode)」を追加した。これにより、ユーザーはAIの振る舞いをプロジェクトや学習目的に合わせて柔軟にカスタマイズできるようになる。
Colabは、ブラウザ上でPythonのコードを記述・実行できるクラウドサービスである。複雑な環境構築が不要であり、GPUやTPUの強力な計算資源を利用できることから、データサイエンスや機械学習の分野で広く利用されている。
「カスタム指示」は、ユーザーがGeminiの動作に独自の文脈や好みを設定できる機能である。例えば、「特定のコーディングスタイルに沿って回答する」「授業のシラバスを踏まえて説明する」「特定のライブラリを優先して使う」といった条件を指示として加えられる。設定はGeminiのチャットボックスから切り替えが可能だ。
カスタム指示は、個人のアカウント設定ではなく、ノートブック単位で保存される設計になっている。Colabの特長の一つは、作成したノートブックをコミュニティや同僚と簡単に共有できる点にある。カスタム指示はノートブック内に直接保存されるため、共有先にもその設定がそのまま引き継がれる。これにより、教育者が学生向けに最適化したAIアシスタント付きの教材を配布したり、チーム内で統一された開発方針に沿ったAI支援を受けるといった活用が可能になる。
「学習モード」は、カスタム指示の仕組みを活用した教育向けの機能である。Colab上のGeminiを、コードを生成するツールとしてではなく、コーディング学習を支援する個別チューターとして機能させる。
一般に、AIアシスタントにコーディングの質問をすると、そのまま使える完成済みのコードが提示されることが多い。学習モードを有効にした場合、Geminiは完成コードを直接示すのではなく、段階的な手順を通じて複雑なトピックを分解し、背景にある概念を説明する。ユーザーが自らコードを書きながら理解を深め、スキルを身に付けられるよう支援する。プログラミング初学者から、新しいフレームワークや言語を習得しようとしている熟練の開発者まで、あらゆる層で活用できる機能である。
学習モードはColabのGeminiチャットウィンドウから有効化できる。Googleは、Pythonのリスト操作や文字列操作を題材にしたサンプルノートブックも公開しており、学習モードの体験を試すことができる。


