Anthropicの「Claude Code」やOpenAIの「Codex」などエージェント型AIツールの普及が、ソフトウェア開発者の間で深刻な弊害をもたらしているという。

AIツールで「サイバーサイコシス」の状態に陥る

エージェント型AIツールは、コードの生成からテスト、リリースまでを自律的にこなすことができる。開発者はプロンプトを入力し、結果を確認するだけでよい。だが、この快適さが新たな問題を生んでいるという。

OpenAI共同創業者のAndrej Karpathy氏は、昨年12月から「AIへの過集中による思考の混乱」状態にあるという。なんでも、同氏はAIで何が可能かを探り、限界まで試し続けるために、1日16時間ほどエージェントに指示を出し続けているとのこと。

手書きコードとAI生成コードの比率は80対20から完全に逆転し、今やコードのすべてをAIに委ねているとのことだ。Y Combinator CEOのGarry Tan氏も、19時間起き続けて午前5時まで眠れなかったとLinkedInに投稿している。Tan氏はこうした体験をデジタル環境への過度な没入が引き起こすとされる心理的歪み「サイバーサイコシス」と表現している。

インシデント管理プラットフォーム「Rootly」のCTOであるQuentin Rousseau氏は、AIエージェント型コーディングへの移行後、数カ月にわたって不眠に悩まされ、睡眠薬を処方されるまでに至ったと明かした。「スロットマシンのようなものだ。プロンプトを打つたびに達成感が得られる」と語る。

Boston Consulting GroupとUC Riversideの研究者はこのようなAIツールの過剰使用による認知的な疲弊・過負荷現象を「Brain fry(脳の疲弊、脳の焼き切れ)」と呼んでいる。Harvard Business Reviewに掲載された研究では、AIツールの過剰使用がミスの増加や判断疲労、離職意向につながることが示されている。Axiosが4月6日付で報じている。