パッと見では何の生き物か分からないが、北海道南部以南にいるエゾハリイカのオスを、腕(一般には足と呼ばれる)の方から捉えた写真だ。腕をクルッと巻いた姿がかわいい。彼らがこの腕に秘めた仕組みで光を操ってメスにアピールしていることを、東京大学などの研究グループが突き止めた。
クジャクのオスは、美しい羽を広げて求愛する。一方、イカやタコのような頭足類は色の違いは分からないが、色や明るさとは異なる光の性質「偏光」を認識できる。光の波が振動する方向が偏った光のことだ。研究により、オスが長い腕を伸ばし、表皮の特殊な細胞で反射させた光を透明な筋肉に透過させ、派手な偏光模様を巧みに生んで求愛していることが分かった。動物のコミュニケーションの世界は実に面白い。
なお、この写真で黄緑色に光って見える部分に偏光の反射が起こるが、光って見えること自体は偏光のためではない。
研究グループは東京大学、東京理科大学、東海大学、青森県営浅虫水族館で構成。成果は米国科学アカデミー紀要に1月26日付で掲載され、東京大学などが同27日に発表した。研究は科学研究費助成事業、科学技術振興機構(JST)次世代研究者挑戦的研究プログラム、藤原ナチュラルヒストリー振興財団などの支援を受けた。
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