富士通は3月30日、企業や組織のモダナイゼーションを支援するため、生成AIを活用して既存のレガシーシステムに含まれるCOBOL言語などのソースコードを解析し、既存システムの内容を把握するための設計書を自動生成するサービス「Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchi」をSaaSモデルで提供を開始することを発表した。
サービス提供の背景
企業の競争力強化と環境変化への迅速な対応のため、システムのモダナイゼーションを進めるニーズが高まっている。しかし、モダナイゼーションを推進する際、既存のレガシーシステムは長年の運用により設計書が更新されておらず、システムの全体像や詳細仕様がブラックボックス化されていることが問題となっている。
それらの解析にコストと時間がかかるほか、レガシーシステムの有識者が不足するなど、大きな障壁にもなっている。特にメインフレームからのモダナイゼーションは、記述方法の膨大なCOBOL言語が約40年の歴史の中で存在するため、解析が困難である。
同社はこうした課題を解決するため、長年培ってきたシステム開発のノウハウに加え、独自技術と生成AIを活用した「Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchi」を開発し、提供を開始する。
モダナイゼーションの時間を約30分の1まで短縮
「Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchi」は独自技術として、残存する設計情報や既存のプログラムにコード解析技法を活用し、「Fujitsu ナレッジグラフ拡張RAG for Software Engineering」を使ってRAGを管理することで、大量のソースコード間を関連付けして抜け漏れやハルシネーションを防ぎ、解析精度や可読性の高い設計書を自動で生成する。
同社は2025年2月に前身サービスとなる「設計書リバースサービス for アプリケーション資産」を提供開始。その実績を踏まえて、解析技術や設計書生成のノウハウを標準化し、ユーザー自身でも解析作業が可能な「Fujitsu Application Transform powered by Fujitsu Kozuchi」の提供を開始する。
同サービスは、従来は人手によって膨大な時間を要していたプログラム言語の理解から設計書生成までの作業を、有識者がいなくても約30分の1まで時間短縮を可能にするという。
また、通常の生成AIだけの解析に比べて、既存システムのソースコードから抜け漏れがない整合性のとれた設計情報を生成する技術を搭載し、解析が困難なCOBOL言語においても抜け漏れなく設計書を自動生成でき、網羅性が95%向上している。
これらの精度向上によって設計書の可読性が従来比60%の向上し、高品質な設計書を生成できることを確認しているとのことだ。
2026年度以降に機能を順次拡大
富士通は今後、同サービスの導入支援などのサービス提供も開始する予定。また、同サービスの設計書自動生成に加え、既存資産のソースコードを次に生かすリビルドの機能や、ソースコードを作り直すリライトを自動で行う機能、運用や保守を支援する機能を2026年度以降に順次提供開始予定。
