日立製作所は3月25日、Oracle Databaseを利用した基幹システムのクラウド移行を支援する「クラウド移行支援サービス for Oracle Database」に、Oracle Database@AWSへの対応に加え、AI活用に適した安全なマルチクラウド環境の利用コストや移行期間を削減する新サービスを追加し、4月1日から提供開始すると発表した。AIネイティブな基幹システムへの刷新を進める「モダナイゼーション powered by Lumada」強化の一環という。

  • サービスの概要

    サービスの概要

同サービスは、基幹DBが持つ重要な業務データの信頼性・安全性を確保しながら、クラウドへ迅速に移行し、継続的なコスト最適化やAIによるリアルタイムデータ活用を可能にするもの。デジタルやAIによる競争が激化する中、止められない基幹システムを抱える企業にとって、AI活用に最適なシステムへの変革や運用コストの最適化が持続的成長の鍵となっているという。一方、長年オンプレミスで運用してきた基幹DBシステムでは、セキュリティや安定稼働、コスト面の懸念がクラウド移行やAI活用の障壁になっていたとしている。

こうした課題に対し、日立は、ミッションクリティカルな基幹業務で培った構築・運用実績に加え、日本オラクルおよびアマゾン ウェブ サービス ジャパンとの共同検証で確立した設計・運用のベストプラクティスを活用し、クラウド移行から運用、基幹データのAI活用までを一貫して支援する。Oracleシステムのクラウド移行の一例では、移行前後のシステム利用コストを30%削減できることに加え、DBシステムの先行検討と移行期間を合わせて2か月短縮できることを確認したという。

新サービスの特長は3点。1つ目は、ベストプラクティスに基づく迅速・安全なクラウド移行。基幹DBのクラウド移行プロジェクトの一例では、ベストプラクティスを反映した設計書テンプレートを活用することで、設計項目の網羅性を確保しつつ作業効率を高め、先行検討と移行期間を2か月短縮できる効果を確認した。今回、新たにOracle Database@AWSへの対応を追加し、AWS環境でも迅速かつ安全な基幹システムのクラウド移行を進められるとしている。

2つ目は、継続的なコスト最適化とレジリエンス向上。性能要件やリソース利用状況の継続的な分析、不要リソース削減の自動化などにより、移行前後で30%のシステム利用コスト削減に加え、継続的な最適化と運用改善を実現する。あわせて、ランサムウェア対策を想定したバックアップ運用や、セキュリティパッチ適用時の影響予測の自動化などにより、クラウド運用上のリスク低減を図る。

3つ目は、安全かつリアルタイムなAI分析環境の提供。基幹システム向けとAI活用向けのDBサービスを分離した構成とし、基幹データを常時同期することで、最新データを用いた安全かつ低コストなAI分析環境を実現する。さらに、業種・業界ごとのドメインナレッジをもとに、データの意味やつながりを整理するデータマネジメントにより、AIが基幹データを正しく解釈できるようデータ品質を維持し、分析結果の業務適用を可能にするとしている。活用例として、金融業界における不正取引の検知・対処や、製造・流通業における需要予測に基づく在庫適正化の判断などを挙げている。

  • サービスの特徴

    サービスの特徴

サービスメニューは、「クラウド移行アセスメント」「SQL移行影響診断」などの検討、「クラウド環境設計・構築・テスト」「データ移行」などの設計・構築・移行、「問題解決支援」「クラウドコスト最適化」「運用自動化」「セキュリティ対策」などの運用改善・レジリエンス向上、「AI・データ活用支援」などで構成される。価格はいずれも個別見積。Oracle Database@AWS関連メニューを含め、4月1日から提供開始する。