「われわれにしかできない価値の提供を」 ビックカメラ・秋保徹が目指す独自商品開発

新たな価値を自らつくる!

 

「ビックカメラにしかない、ビックカメラだからこそ生み出せる独自の商品が必要。独自のプロダクトを持つことによって、新たな価値を自分たちでつくり、積み上げていく」 

 こう語るのは、ビックカメラ社長の秋保徹氏。 

 家電量販店大手のビックカメラが、新たなプライベートブランド(PB=自主企画)商品の開発・販売を始める。これまでは価格帯や性別・世代などの属性によって3種類のPBを展開していたが、今後は新ブランド『ビックアイデア』に統一。顧客に「よくぞ出してくれた!」と思ってもらえるような商品づくりを目指すという。 

 同社がPB戦略の変更に乗り出した理由の一つは、秋保氏の「最近、予期せぬ欲しいものとの出会いはあったか?」という問いかけだった。 

 近年、スマートフォンやネット通販の普及など、テクノロジーの進化によって、消費者の購買行動は大きく変わった。AI(人工知能)が個人の好みを分析し、買い物は便利になった。一方で、店頭や売場における偶然の発見や体験は、相対的に生まれにくくなっている。秋保氏の言葉を借りれば、「現在はかつてないほど、予定調和に陥りやすい時代だ」。 

 そこで同社は改めて、PB戦略を再定義。日々、来店客と接している販売員の中から約300人の精鋭部隊を集結。SNS上でも「こんな商品があったらいいのに」という声を集めて、今まで以上に顧客視点・生活者視点に立った商品開発を進める。2030年までに売上高1000億円が目標だ。 

「われわれがつくっていきたいのは、ささやかな、ちょっと気の利いた商品。現場の声やお客様の声を集めた商品をどんどんつくって、企画から開発・販売までのサイクルをもっと高速に回していきたい。より便利で、もっと豊かな生活を求める潜在的な欲求から来るニーズに応えていきたい」(秋保氏) 

 新たな需要創造に向け、小売りにも〝売る力〟だけでなく〝つくる力〟が求められる時代になったと言えそうだ。

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