日立製作所は3月23日、2026年度から信託スキームを用いた従業員向け譲渡制限付株式報酬ユニット(RSU: Restricted Stock Unit)制度を導入することを決定した。また、2026年度から、従業員向け株式購入プラン(ESPP: Employee Stock Purchase Plan)をグローバルで展開する。
これらの施策は経営計画「Inspire 2027」における人財戦略に基づくもの。人材獲得競争の激化を背景に、株式報酬の導入を進める動きが広がっている。
RSUとESPPとは何か
RSUとは、一定期間の在籍などを条件に企業から付与される株式報酬で、条件を満たすと実際に株として受け取れる仕組み。
一方、ESPPとは、従業員が給与天引きなどで資金を積み立て、自社株を割引価格で購入できる制度。
つまり、RSUは株を「もらう」報酬であるのに対し、ESPPは株を「割安で買う」制度で、いずれも外資IT企業などで広く採用されている株式インセンティブ制度だ。
同社はこれらの制度を通じて、従業員と株主の利害を一致させる狙いだ。
世界約40か国超、約1,800名にRSUを付与
まず、経営リーダー層を対象にRSUを導入する。日立の従業員ならびに一部の子会社(以下、対象子会社)の取締役および従業員のうち、各事業部門の CEO およびコーポレート部門等の部門長から2~3階層下を目安とした経営リーダー層を対象者(以下、対象従業員等)として、世界約40カ国超、約1,800名にRSUを付与する。
同制度により、経営リーダー層にオーナーシップの意識を浸透させ、経営的視点の醸成を促すとともに、対象従業員等と株主の利益を一致させることで、長期的な企業価値創出を図る。
最大15万人の従業員を対象にESPPをグローバル展開
日立は、各国・地域の法令および規制を踏まえ、2027年度までに主要市場で最大15万人の従業員を対象にESPPのグローバル展開を行い、将来的には50カ国以上に拡大することを目指す。
ESPPにより、従業員が会社の成長と長期的な成功を直接分かち合える機会を提供し、従業員のエンゲージメント、ウェルビーイング、会社と共通の目的意識の醸成を強化する。対象規模としては、国内企業でも最大級となる可能性がある。
RSU制度を支える信託スキームの仕組み
RSU制度の運営には、信託スキームが活用される。日立は、従業員向けRSU制度の導入にあたり、三菱UFJ信託銀行と協力し、役員報酬BIP信託および株式付与ESOP信託を設定する。
これらの仕組みにより、ガバナンスの健全性と制度運営面での確実性を確保しつつ、あらかじめ定める株式交付規程に基づき、同社株式の取得および交付等に係る制度運営を行う。
