ENEOS Powerは3月10日、MIRAI東京蓄電が神奈川県に設置予定の特別高圧系統用蓄電池について、ENEOS Powerがその運用を受託するアグリゲーター業務委託契約に関する基本合意書を締結したと発表した。今後、正式な業務委託契約の締結に向けて協議を進める。
今回の基本合意の対象となるのは、神奈川県横浜市旭区に設置する定格出力12,000kW/定格容量65,808kWhの系統用蓄電池。ENEOS Powerがアグリゲーション業務を担い、充放電を適切に制御しながら、卸電力市場・需給調整市場・容量市場での取引を行う予定だという。
再生可能エネルギーは気象条件により発電量が大きく変動するため、電力の需給バランスが不安定になる場合がある。ENEOS Powerが2025年7月より展開している蓄電池運用サービスでは、蓄電池の充放電制御を通じて電力需給の安定化と顧客収益の最大化を目指すという。
ENEOS Powerは2024年3月から北海道室蘭市において特別高圧系統用蓄電池の運用を行っており、2025年4月に電力需給調整力取引所で全商品の取引が開始されるのに合わせて取引市場にも参入している。この取引所での運用にあたっては、AIによる最適化アルゴリズムを用いて各種市場の動向を日々分析し、AIとトレーダーが最適な入札タイミングや内容を判断するなど、市場取引のノウハウを積み上げてきたとしている。
編集部メモ
系統用蓄電池は、電力系統(送配電網)に連系(接続)され、系統全体の電力供給の安定化や需給調整を役割とする大型蓄電池のこと。家庭や事業所でバックアップ用途などで利用されるものと区別してこのように呼ばれる。電力の価格が安い時間帯に充電(電力購入)を行い、電力の価格が高い時間帯に放電(電力売却)を行い、その価格差から利益を得る。しかしそれだけでは利益を確保するのが難しいため、そういった需給調整を行う能力(およびその調整力の提供)そのものを「調整力」として前述の電力需給調整力取引所が運営する市場に提供して対価を得ることなどを組み合わせて収益化を行っている。
