2026年3月3日~6日、第42回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2026」が開催された。同展示会では、深刻化する人手不足、消費行動の変化、改正物流法の対応、業界特有の多彩なデータの活用など、流通業が抱える課題を解決するAI時代の「流通DX」を支えるテクノロジーを紹介している。
Salesforceは、同展示会において「AI×パーソナライズ」「AI×店舗」をテーマに、カインズと共同で体験型ブースを展示していた。
本稿では、AIエージェントなどSalesforce製品を導入したカインズとの取り組みを紹介するブースの模様をレポートする。同ブースでは「CX(顧客体験)」「EX(従業員体験)」の2つの分野の事例が紹介されていた。
カインズのCXを向上させる3つの取り組み
カインズとSalesforceは、顧客に対して、1人ひとりにパーソナライズされたマーケティングで、顧客体験とLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)両方の向上を目指す取り組みを行っている。
具体的には「足が遠のいている顧客へのマーケティング施策」「店舗でタイミング良く買い物をアシスト」「ローカライズマーケティング」を進めている。
まず「足が遠のいている顧客へのマーケティング施策」については、顧客カルテに残っている最後の購買情報を活用して、顧客によってキャンペーン内容や商品、クーポンを出し分けている。
「店舗でタイミング良く買い物をアシスト」については、消耗品の買い替えメッセージの送付や位置情報を利用して近くのおすすめ商品を通知、商品スキャン時にクーポン対象のお知らせなどを行うという。また、アプリ会員証を所有している顧客がカインズ店舗の近隣を通った際にリマインダーなどで通知する施策も行っている。
「ローカライズマーケティング」は、大雪警報といった悪天候の発生に伴い、緊急キャンペーンを実施する取り組み。店長がSlack上でAIエージェントとキャンペーンを迅速に作成することをサポートしている。
AIエージェントで従業員体験(EX)を支援
EXの取り組みとしては、「商品情報Agent(Agentforce)」「社内マニュアル BOT(Slackbot)」という2つの機能を活用している。
「商品情報Agent」は、正確な商品名がわからなくても、商品の特徴から検索ができ、近隣在庫検索や取り寄せ手配にも対応してくれる機能。
利用客からの曖昧な質問にも、商品の特徴などで商品を特定することが可能で、あわせてAIエージェントが候補の商品と店頭在庫を提示してくれる。同時に類似商品もおすすめしてくれ、店頭在庫がない場合はAIエージェントに依頼して近隣店舗の在庫を調べられるという機能だ。
一方の「社内マニュアル BOT」は、Slackを活用することで、社内の知りたいことをなんでも相談できるという機能。
急に担当になった業務であっても、Slack内やSlackに連携されたサービス内にマニュアルや会話の記録が残っていれば、Slackbotが手順をまとめてくれる。対人で会話をするように質問するだけで、Slackbotが必要な情報をまとめて回答してくれるという機能だ。
今後、Salesforceは「顧客データをあらゆるエージェントが活用し、全ての顧客接点で一貫した1to1の体験を提供」することを目指していくという。





