2026年3月3日~6日、第42回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN 2026」が開催されている。同展示会では、深刻化する人手不足、消費行動の変化、改正物流法の対応、業界特有の多彩なデータの活用など、流通業が抱える課題を解決するAI時代の「流通DX」を支えるテクノロジーを紹介している。
NECは同展示会において「すべての変革に+AI」をテーマに、AIを活用して顧客体験の価値向上・業務効率化を実現するソリューションやサービスを展示している。 それらのうち、ブースの目玉の特別企画として紹介されていたのが、「フリクションレスの顔認証リアル体験」だ。本稿では、この特別企画についてレポートする。
「顔パス世界」を実現する「NEC顔リンクサービス」
NECは、一度の顔登録でさまざまなサービスがシームレスに利用できる「顔パス世界」の社会実装を目指し、「NEC顔リンクサービス」(アプリ名は商標出願中)というアプリを開発した。
「NEC顔リンクサービス」は、アプリをダウンロードして、本人確認や顔画像など必要な項目を1回登録するだけで、顔認証により店舗決済やオフィス・住居の入退、交通機関の利用などが可能になるサービス。
すでに、TRIALの複数店舗(福岡県9店舗、東京都5店舗)において、顔認証による決済と入場管理の実証が開始されている。
これまでは、それぞれのサービスで指定された方法や指定の場所で顔登録をする必要があったが、今後はNECがプラットフォーマーとなることで、業態を越えたサービスを生活者へ展開していきたい考えだという。
顔認証で実現するレジレス購買体験
今回の展示では、NEC顔リンクサービスのデモンストレーションとして、「特別でストレスフリーな購買体験(NEC顔認証決済サービス)」と「スムーズに顔認証ではじめるストレスフリーな入店(NEC Smart ID Express)」を体験できる。
NEC顔認証決済サービスの特徴
NEC顔認証決済サービスは、NECの顔認証技術を活用した安心・簡単・便利な決済サービスで、顔認証決済システム開発実績やノウハウを結集し、「決済サービス」として提供するもの。
顔認証によるストレスフリーな決済体験ができるほか、現金・カード・スマホ操作も不要であることからレジ業務の効率化にも貢献できるという特徴を持っている。
この技術は、2025年大阪・関西万博の会場内の店舗決済にも導入されていたもので、手ぶら決済による利便性向上と、なりすまし防止による安全・安心で効率的な万博運営に寄与していたという。
NEC Smart ID Expressの特徴
もう一方のNEC Smart ID Expressは、店舗での快適な購買体験の実現に向けた、生体認証・映像分析・AI技術を融合し、既存カメラを活用する新たなソリューション。
ショッピングカートを押しながら入店するだけで、自動的にチェックインが完了し、その後、立ち止まることなくすぐに店内で買い物を始められる。
店内では頭部を含む画像を用いて人物を追跡し、追跡している人物の顔が画像に含まれたら顔認証を実行。顧客自身のデータとショッピングカートの中身を紐づけることで、レジに並ばずに決済を完了させることができるという。
さらにこれまでは「誰がなにを買ったのか?」がやや曖昧だったところを、顧客データと購買履歴をひもづけて「生きた情報」としてデータ化できるため、マーケティングへの活用にも期待できるという。
これらのデモンストレーションに加えて、来場者向けに「顔認証決済でお弁当や軽食が購入できる」「顔認証入室でプレミアムワークラウンジが利用できる」「顔認証決済が実店舗で利用できる」という3つの体験が用意されていた。
この体験を通して、来場者はデモンストレーションではなく、現実世界でのフリクションレスな顔認証を体験できている様子だった。
なお、導入金額については、成果報酬タイプでのサブスクリプションを検討しており、最終調整中とのこと。





