拡散の抑制にこだわる設計を取り入れたUHPLC
島津製作所は3月3日、医薬品や食品、環境、化学などの研究開発分野などに向けて、全体的な再設計を行うことで装置由来の拡散を極限まで抑制した超高速液体クロマトグラフ(UHPLC)「Nexera X4」を発表した。
拡散の抑制に向けてハードウェアを再設計
同製品は、これまでのNexeraシリーズで培われた技術を継承しつつ、カラムのみならず流路となるステンレス配管などで生じる拡散を独自技術「Nexflowテクノロジー」にて抑制することで、従来の液体クロマトグラフでは検出できなかったピークを検出できるだけの高い分離性能を超高速で分析できるようにしたことが特徴。具体的には、検出部のフォトダイオード検出器にキャピラリーセルを採用することでピーク拡散を低減しつつ、溶媒由来のベースライン変動の低減も図ることで安定した測定を実現。これにより、移動相での変動が生じる場合でも、それを抑制することができるようにしたという。
また、オートサンプラも拡散を低減することを目的とした低容量高圧バルブならびに低拡散注入機能を搭載。高圧バルブの内部容量を60%以上削減しつつ、配管内径を従来のままながら独自技術で内部形状を工夫することで配管内の中心部と外周部の流速差を抑えることでカラム外の拡散抑制にも成功したとする。
さらに、従来は工具を使っていたカラムと配管の接続を誰でも高耐圧ながら手締めでの作業を可能とした新たなフィッティング「Nexlock II」も開発することで、工具を用意する手間を省くことも可能としたとする。
このほか、独立4駆動プランジャーの採用と圧力フィードバック機構したバイナリーグラジエントポンプを採用。1つのポンプについて2つのプランジャーを搭載し、合計4つのプランジャーとすることで、それぞれの流量や移動相の組成が刻々と変化する中でも一定流量を確保できる仕組みを構築でき、ポンプ由来の脈動も低減。従来の脈動低減は機械的に行っていたが、それをファームウェアで補うことでグラジエントの応答性を向上させ、超高速分析を可能にしたとする。
加えて、脱気のためのユニットを従来の2つから、いろいろと試したいというユーザーからのニーズに対して1ポンプあたり4液の切り替えを可能としたとのことで、これにより条件の探索などを効率よくできるようにしたともしている。
なお、同社では医薬品の分析に最適なシステムとなったと説明しているが、食品、環境、化学といった分野での活用も期待できるとしており、既存製品の買い替えニーズや追加需要、更新需要などを取り込みたいとしている。希望販売価格は1570万円~(税込み、システム構成により異なる)としており、発売後1年間で国内外で700台の販売を目指すとしている。

