半径1メートルの球体をしたステンレス製真空容器内に、1ミリメートル程度の核融合燃料を入れ、12本のレーザービームを正12面体の各面に垂直な方向から照射することで均一に圧縮し、密度を上げてお膳立てする。そこへ別に用意したレーザービームを瞬間的に当てることで高速に加熱し、高効率に核融合点火反応を起こすのが、大阪大学レーザー科学研究所(阪大レーザー研)のレーザー核融合装置「激光XII号」だ。

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    球対象に配置した12本のレーザービームを内部の燃料に照射する「激光XII号」のターゲットチャンバー(大阪大学レーザー科学研究所提供)

核融合は太陽で起きている反応。燃料となる重水素(デューテリウム)と三重水素(トリチウム)が高温高圧下でくっつくと、陽子2つのヘリウムと中性子が生まれ、反応前後の質量差が莫大なエネルギーに変換される。

レーザー核融合は、瞬間的に燃料密度を上げるやり方だ。フランスに実験炉が建設中の超大型国際プロジェクト「ITER(イーター/国際熱核融合実験炉)」や、岐阜県土岐市にある核融合科学研究所の大型ヘリカル装置のように、時間をかけて燃料を核融合反応が起きるプラズマ状態にして、そのまま磁場に閉じ込める方式と双璧となる。

阪大レーザー研の兒玉了祐所長(プラズマ科学)によると、直接燃料にレーザーを照射して圧縮し、圧縮が極まった時に中心点火するレーザー核融合では、燃料の周りにまんべんなく均等にレーザーを当てることが必要だ。均等な照射のためレーザー研でもレーザー2本の激光II号(1974年)、4本の激光IV号(1977年)とレーザーを増やしており、現在の激光XII号に至る。ただ、アメリカにあるレーザー60本の装置にはかなわないし、60本でも照射によるムラが起きてしまい、反応がなかなかうまくいかない。

転機は2001年。兒玉所長は燃料の圧縮と点火の2段階で核融合反応を導きやすくなることを発見した。「身近なものに例えるなら、空気と燃料を圧縮後にスパークプラグで爆発を起こしてピストンを動かすガソリンエンジンのイメージ」と話す。学校の体育館ぐらいの核融合炉をデータセンター横に置くのが将来的な目標だという。

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