ヤマハ発動機は3月2日、静岡県磐田市内に同社製の浄水装置「ヤマハクリーンウォーターシステム」(YCW)を設置し、災害発生時の活用を中心とする国内需要の検証を行う実証実験を、4月15日より開始することを発表した。
浄水装置であるYCWは、これまで水道設備の域届かない国や地域における水へのアクセス向上のため、主にアジア・アフリカの村落地域に導入されてきたとのこと。しかし今回は初めての事例として、災害時の活用を見据えた導入を国内において行うとする。
これまで国内で発生した大規模災害の際には、断水によって選択や入浴、清掃などに使用する生活用水が長期間にわたって確保できなくなり、被災者は不便な生活を余儀なくされていた。その対策として磐田市では、市民へ無償で生活用水を提供する「災害時協力井戸」を募集するなど、大規模災害発生時における生活用水の確保に取り組んできたとする。
そして今回は災害時給水体制のさらなる強化に向けた新たな方策として、磐田市内の指定避難所および指定救急避難場所である磐田市総合体育館が立地する「かぶと塚公園」にYCWを設置。4月15日から開始される実証実験では、防災訓練において市民に利用方法を体験する機会を設けるなど、地域住民の運用参加を促すとともに、その声を基にして課題検証を行うとのこと。なお同実証実験は、2028年までの約2年間にわたって実施される予定だ。
また他にも、市内の学校教育における活用も予定しているとするヤマハ発動機によると、YCWを市内小中学校の総合学習の授業に取り入れ、SDGsについて学ぶプログラムも計画中だという。実際の浄水装置を教材として用い、安心して利用できる水の重要性や浄水技術、地域防災の仕組みを学ぶことで、子どもたちの防災意識や社会課題解決などの理解を深める機会に繋げるとした。
なお同社は、今回設置されたYCWにおいて景観と市のモチーフを意識した特別デザインを採用し、濃淡の異なる青色を基調として、生物浄化プロセスを象徴した砂利や微生物のイラストを配置するとともに、市のシンボルである昆虫のベッコウトンボをイメージした色合いもアクセントとして加えているとのこと。そしてこうした取り組みを、地域との新たなつながりを創出する機会として捉え、災害に強みまちづくりやSDGs教育などを通じ、地域の課題解決に寄与する幅広い取り組みを、磐田市と共同で進めていくとしている。

