
人手不足解消へ、「働きたい改革」に期待
─ 大和ハウス工業会長の芳井敬一さん、トランプ政権の動向も含めて混沌としていますが、26年をどう見通しますか。
芳井 今、世界経済は非常に曖昧な状況にあり、その中でいかに本質を見抜くかが、経営をする上で非常に大事になります。
例えば、米トランプ大統領の一言で状況が大きく変わりますが、すぐに動いてしまうと、またそれを撤回されるケースもある。やはり自らの本業を見据えて、今起きていることは経営する上での「条件」と捉え、受け入れていくしかありません。
─ 全産業的に課題の人手不足にはどう対応しますか。
芳井 採用もなかなか難しく、DX(デジタルトランスフォーメーション)やAI(人工知能)の進化も追いついてはいません。今、国土交通省を中心に、建設DXに大きくカジを切っていますから、この成果には期待しています。
ただ、やはり人がいなければできない仕事です。労働時間の問題については高市政権で、働く意欲のある人に応える「働きたい改革」が言われていますが、逆に「働かせたい改革」ではないかという批判の声も出るなど、労働者側と使用者側の溝がなかなか埋まりません。
ゼネコンを始め、各社が仕事を請けられない状況になっています。請けてしまうと夜中も工事しなければならなくなったり、ギリギリの工期でやらなければならなくなると、そこは厳しい。工期が延びるというのは価格が上がるということですから、「働きたい改革」を含め、解決策が見出されることを期待したいところです。
世界のライバルは成長に向けて必死に働いています。今の日本は逆に「働かないで欲しい」と言っている状況です。強い日本を取り戻せるような、働きたい人が働けるような仕組みになればいいなと思います。
─ 米国での住宅事業に注力していますが、手応えは?
芳井 今、現地の子会社では、我々が進めてきた「工業化」がようやく浸透してきています。工業化で品質が一定になり、お客様にとっても、自分たちにとってもいいのだという理解になってきているんです。
また、事業を通じて、やはり米国はインフレで給与が上がり続けるなど、経済の強さは変わらないことを実感しています。
─ 国内ではデータセンターに注力していますね。
芳井 データセンターは設備の比率が高いですから、いかに設備力を付けるかが喫緊の課題です。グループにその品質を見てくれる会社を欲していましたが、現在、住友電設にグループ入りしてもらえるよう話を進めています。実現すれば、これまでとは違う提案ができるようになりますし、我々のグループ力が一気に上がると期待しています。