eスポーツの普及と関連産業の振興を目的に展開する「大阪府eスポーツ推進事業」を進める大阪府が主催する初のeスポーツイベント「Osaka GeN Scrambled」(以下、ジェンスク)が1月30日から2月1日の3日間開催された。会場の一つであるグラングリーン大阪では、eスポーツに関するビジネスイベントが行われ、20近いプログラムと交流会が行われた。
ジェンスクは、性別や世代を超えた「つながり」と「混ざり合い」をテーマに誰もが楽しめる新しいeスポーツのお祭りであり、府内でのeスポーツの取組みに面的な広がりを生み出す場として設立された「大阪eスポーツラウンドテーブル」(Osaka eSports Growth Guild)による2025年度活動の集大成に位置付けられている。
イベントでは多くの人たちにeスポーツの楽しさを知ってもらうと同時に、府内でeスポーツの支援に取り組む団体が相互に情報共有や意見交換する場を提供しており、企業によるeスポーツ事業の事例なども紹介された。
ここでは、1月30日のビジネスデーにJAM BASE CONFERENCEで行われた、「関西圏におけるeスポーツ普及の取り組み」をテーマにしたマウスコンピューターのトークショーを紹介する。
安心して楽しめるPC環境をeスポーツにも提供
トークショーでは、マウスコンピューター第一営業本部営業推進部副部長の大久保政紀氏が登壇し、関西圏でeスポーツの関わりや学校への導入事例を紹介。対談者として登壇したNEICS(ネイクス)代表社員の有江俊治氏は、地域のICTを支援する企業として、eスポーツ環境構築やマウスコンピューターとの連携などについて話した。
マウスコンピューターは創業33年を迎える日本企業であり、コンシューマからビジネス、クリエイター向けPCを販売し、24時間365日サポートと3年間の無償保証を提供する“安心のマウスコンピューター”として知られる。2025年度から女優の福原遥さんがアンバサダーに就任し、安心パソコンをテーマにしたCMも展開している。
同社はゲーミングPCにも早くから力を入れており、2004年からゲーミングブランドの「G TUNE」(ジーチューン)を展開。そのG TUNEは2025年にリブランドが発表され、話題になった。JESU(日本eスポーツ協会)のオフィシャルサプライヤーとして販売されている公認PC「JESU」は、大会運営とプレイヤーの快適な環境を両立することができ、2025年の大阪・関西万博で開催されたさまざまなeスポーツイベントや、ジェンスクの運営にも提供されている。
12時間を超えるeスポーツカフェで安定運用を実感
OA機器やネットワーク環境などのインフラを構築するビジネスを手掛けるNEICSは、本業と並行してeスポーツビジネスを通じて地域社会に貢献している。マウスコンピューターとの関係は2019年ごろに始まり、その後のコロナで学校にオンライン環境を導入する動きが進み、主に学校への機器導入で実績を積み重ねてきた。
2023年にオープンしたeスポーツカフェ「ZERO」にもマウスコンピューターのゲーミングPCが導入され、ショールームとしても利用されている。「カフェにはゲーミングPCを34台導入したが、毎日12、3時間稼働しても安定した運営ができたことで、学校へも安心して導入できている」と有江氏は説明した。
大阪府はeスポーツの環境がまだ少なく、NEICSのような取り組みはあまり見られない。だが、大阪府が「大阪府eスポーツ推進事業」を進めるなど、eスポーツへの関心は高まっており、「学校でeスポーツ環境導入する際に相談を受けたり、依頼を受けたりすることが増えている」と有江氏は話した。
本格的なeスポーツがプレイできる環境が整っているということで、鉄拳ワールドツアーの会場にも使用されている。自社でもイベントを多数運営し、2025年は定期開催を含め20ものイベントを実施した。
学校で必要とされるeスポーツ環境とは
導入事例として紹介された大阪市尼崎市の私立園田学園中学校・高等学校は、カフェを利用した顧客からの紹介がきっかけで、まずは相談を受けるところから関係を築いていったという。
学校側には漠然とeスポーツを部活にしたいと希望はあったものの、関連知識を持つ職員がいなかった。パソコンが使えてもeスポーツの経験がなく、学校で何十台も使って同時にeスポーツができる環境の知見はなかった。
相談の結果、新たに教室を作ってeスポーツ環境を用意することが決まり、「G TUNE DG-17G60」と24型ゲーミング液晶「GB2470HSU-B6」が導入された。また、部活以外にも使えるようにしたいという要望があり、「当社には学校でeスポーツを教えていた社員がおり、授業カリキュラムもあわせて提案しました」(有江氏)
音響や映像を含めた学校へのパソコン教室設営とeスポーツの運営という両方の経験を持つNEICSだからこそ、学校でも適切な環境が構築できると言える。
eスポーツを通して若者が活躍・成長する機会の提供を
トークショーでは大久保氏と有江氏から、今後のeスポーツ支援に向けた思いやビジョンが語られた。
有江氏は「地域密着のICT支援と並行して、まずはeスポーツが楽しめる環境をさらに整えていきたい」と述べ、カフェを通じてeスポーツの体験やイベントも増やし、運営を学生に手伝ってもらうといったことも検討している。学校に対してもオフィスがある大阪と奈良を中心にアプローチを強め、さまざまなコミュニケーションをしていきたいと話す。
大久保氏はマウスコンピューターとして、地域社会と学びを支える“ものづくりICTパートナー”になること、教育とキャリアを広げるeスポーツ・デジタル学習エコシステムの構築、地域コミュニティとともに築く持続可能なeスポーツ文化の発展という、3つの取り組みを奨めていくことを紹介した。
「機器を販売して終わりではなく、つながりを継続できるよう、今回のイベントのようにeスポーツを通して若者が活躍し、成長する機会を提供し、全体を支えるネットワークシステムを提供していければと考えています」(大久保氏)
最後に大久保氏から「地域社会を支える企業様と共にマウスコンピューターはeスポーツ普及を推進します」というメッセージが送られ、トークショーは締め括られた。







