NTTデータグループは2月5日、2025年度第3四半期の決算を発表し、説明会を開いた。連結での営業収益は対前年2360億円(6.9%)増の3兆6438億円、営業利益は同1482億円(62.8%)増の3842億円、四半期利益は同1265億円(140.0%)増の2169億円と、対前年で増収増益となった。

  • NTTデータグループ 2026年3月期 第3四半期実績

    NTTデータグループ 2026年3月期 第3四半期実績

一方で、データセンター譲渡益については計画値としていた1554憶円に対し、実績が1295億円だったことから、通期の業績予想を260億円下方修正した。四半期利益はデータセンター譲渡益の一部免税によって税金費用が縮小することから、60億円の減少となっている。

  • 260億円の減少を業績予想へ反映した

    260億円の減少を業績予想へ反映した

代表取締役社長 CEOの佐々木裕氏は、データセンター譲渡益について「7月にシンガポールのREIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)に上場した際の評価額と比べ、譲渡益が当初の想定よりも低かった。また、当時の為替レートが若干円高に振れていた影響もある」と説明した。

  • NTTデータグループ 代表取締役社長 CEO 佐々木裕氏

    NTTデータグループ 代表取締役社長 CEO 佐々木裕氏

第3四半期決算の主な増減要因

通期の受注高は、対前年比で3377億円(9.2%)増加し、4兆20億円だった。日本セグメントと海外セグメントがいずれも順調だという。内訳を見ると、国内では主に公共・社会基盤分野と金融分野の案件が拡大し、2373億円の増加。海外ではGTSS(Global Technology and Solution Services)のデータセンター事業における大型案件の獲得により、1765億円の増加だ。

  • 受注高の主な増減要因

    受注高の主な増減要因

対前年比で2360億円増加となった売上高も、日本セグメントおよび海外セグメントがいずれも成長した。国内では公共・社会基盤、金融、法人の各事業が増収となり、合わせて771億円の増加。海外ではAPAC地域が減少となったものの、データセンター譲渡益などにより全体で1800億円増加した。

  • 売上高の主な増減要因

    売上高の主な増減要因

営業利益は日本セグメントの公共・社会基盤分野が減益だったが、金融および法人分野の増益を含めると国内で46億円の増加。海外セグメントでは増収に伴う増益やコスト効率化の影響で1583億円の増加となった。

  • 営業利益の主な増減要因

    営業利益の主な増減要因

海外セグメントの事業統合が順調に推移

日本セグメントに注目すると、受注高、売上高、営業利益がいずれも対前年で増加。公共・社会基盤分野のみ減益となったが、これは不採算損失が増加したことや、中央府省における高利益率案件の剥落による影響とのことだ。

  • 日本セグメントの業績内訳

    日本セグメントの業績内訳

対する海外セグメントでは、North Americaにおける前年の大型案件の反動による減少が見られたが、受注済みの小型案件の売上転換により為替の影響を除き増収増益となった。APACでは通信端末機器の販売が不調だが、クラウド & セキュリティ事業が成長し増益となっている。

  • 海外セグメントの業績内訳

    海外セグメントの業績内訳

同社は現在、海外セグメントにおいて事業統合を進めている。前期まではコーポレート機能やオフィスの統合を進めてきたが、今期以降はグローバル全体での競争力強化に向けた業務プロセスの高度化や、事業運営の最適化などに着手する予定とのことだ。

事業統合費用としては第3四半期までに150億円を支出しており、ERPの統合とコーポレート機能の最適化などを実施している。

  • 海外事業統合の進捗

    海外事業統合の進捗

また、データセンター事業では、第3四半期までに16.87億ドル(2508億円)を投資しており、順調な進捗だという。第3四半期においてタイで1棟(14メガワット)とインドで2棟(22.4メガワット、25.6メガワット)を提供開始し、日本でも京都で1棟が竣工した。

新会社「NTT DATA AIVista」を米国シリコンバレーに設立

NTTデータグループは「顧客への提供価値を最大化し持続的な成長と両立する質の伴った成長」を意味する"Quality Growth"戦略を実現するため、"AI-empowered New Value & Productivity"と"Next-Gen Infrastructure"の取り組みを強化している。

具体的には、各産業に固有のビジネス課題や規制に対応したAIエージェントによる価値を、プライベートAIやソブリン性のニーズに対応しながら提供する。そのための提供モデルをグローバル全体で迅速に進めることを目的として、AI新会社「NTT DATA AIVista」をシリコンバレーに設立した。

佐々木氏は「AI-empowered New Value & Productivityとして価値提供するには、AI技術そのもの以上に、お客様固有のデータや業務・業界の特性に合わせてAIを実装しビジネス成果につなげるラストマイルが重要。このラストマイルを強化するためにNTT DATA AIVistaを設立した」と説明した。

NTT DATA AIVistaは、NTTデータグループが掲げる2027年度のAIエージェント関連ビジネスでの売上3000億円達成に向け、ビジネス創出をけん引するとのことだ。

  • NTT DATA AIVistaはAIのビジネス実装を支援する

    NTT DATA AIVistaはAIのビジネス実装を支援する