オプテージは1月29日、大阪府に曽根崎データセンター(OC1)をオープンした。OC1は7.5フロアに1200ラックのサーバを設置可能であり、他の大阪のデータセンターとの接続や来年度オープン予定の美浜町コンテナ型データセンターとの直接接続等、首都圏に次ぐネットワークインフラを関西圏に作るという目論見を示した。
関西圏を首都圏と同様のネット拠点にし、インフラの強靭化へ
近年、クラウドやAIの利用拡大からデータセンターへの投資が進んでおり、メガクラウドベンダーは日本に数兆円規模の投資を行うと表明している。メガクラウドは大量のサーバを設置するため面積も電力も多く必要とし、大都市中心に据えるのは困難だ。
日本のデジタルインフラは首都圏と関西に多く存在するが、東西でピークトラフィックや面積のいずれも倍以上の差がある。しかし、首都直下地震や富士山噴火の可能性を考えると、首都圏集中は日本全体で見た場合望ましくない。
オプテージとしては、日本のインフラ強靭化のために、関西のインフラ整備を進める計画だ。データセンターのさらなる整備や通信トラフィックの集積を進めるだけでなく、現在関西では1カ所にとどまる海底ケーブルの陸揚げ局も他社と協業することで増やす。今回のOC1はその第一歩だ。
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オプテージは、日本のインフラの強靭において首都圏と同等のデータセンター整備が重要だとして、関西と関東の比率を1:1にすることを目指す。また、海底ケーブルの引き上げ拠点も首都圏同様に複数整備することを掲げている
OC1は首脳可能なラックが最大と、敷地面積もそこまで広くない。しかし、大阪駅から徒歩10分程度と物理的には大都市の中心に据えられている。関西圏では三田・彩都・けいはんな・堺南港等に大規模なデータセンターがあり、それらを束ねる、クラウド事業者間の接続施設という位置づけをしている。
コネクティビティデータセンターとしての接続性
オプテージは関西圏に地球9周分の光ファイバー網を保有しており、先ほど挙げたデータセンターが集積する主なエリアや、海外からの海底ケーブルの陸揚げ局からもすでに接続されている。
メガクラウドやIXの主要な拠点が集結する堂島・心斎橋エリアに近接しており、これらの拠点とも自社ファイバーでの直接接続が行われている。
このようにOC1は計算資源のためのデータセンターではなく、通信事業者間やAI・メガクラウドの相互接続を担う「コネクティビティデータセンター」として設置された。
実質再生可能エネルギー100%を実現
OC1で使用する電力は関西電力とKDS太陽光合同会社のPPAに基づくものと関西電力の再エネECOプランを使用した実質再生可能エネルギー100%だ。特別高圧22kvを3回線スポットネットワークで引き込んでおり、メンテナンス時でもサービスの影響は最小限となり、停電に備えて72時間分の燃料タンクが備え付けられている。
ネットワークに関しては地下の三方向に引き込み口があり、建屋内も2系統の配管を用意して冗長性を保っている。メンテナンスに関しては入館予約を入れて顧客が自ら作業を行うほか、オプテージのインフラエンジニアが、手順書不要で対応するライブオペレーションという現地の画像を見ながら簡単な作業を依頼することができる。
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今年度中に福井県美浜町にコンテナ型DCを開設予定。こちらは美浜原子力発電所のCO2フリー電力を使用したGPUサーバを設置し、学習を担当。OC1は推論を低レイテンシーで行え、DC間はオプテージのファイバーで接続する計画だ
14階建ての免震構造ビルで、最大4400芯の光ファイバーを引き込む
以下、OC1の見学ツアーの模様を紹介しよう。オプテージでラックを用意するハウジングタイプに関しては空冷を採用している。設置されていたのは47Uのラックだが、ユーザーは44U使用でき、残りの3つはラック間(クロスコネクト)や NTT堂島やOS1等の近隣データセンターへの直結(帯域提供のメトロコネクトと芯線賃貸借のファイバーコネクトを用意)を可能にするパッチとなっている。クロスコネクトは申し込みから一週間程度で利用可能だ。
ハウジングはフルラック(44U)、ハーフラック(22U)、クォーターラック(11U)の3種類で行え、ワンフロア当たり160ラックほど設置する。ラック当たりの電力は最大10kVAまで利用可能で耐荷重は2000kg/平方メートルだ。見学したサーバルームは空冷サーバを想定しているが、引き合いが多ければDLCも検討するという。
建物は全体で免震構造になっており、巨大地震が発生しても内部は250ガル程度に抑えられる。このためにOC1の地下に免振ゴムに加え、オイルダンパーと直動転がり支承も設置している。
設備投資資金はグループ内から調達の予定
今回の設備投資は「現在計画で2035年までに3000億円」と資本金の9倍、全社売上額1年分よりも高く、ソリューション事業部門売上の3年分以上と、かなりの金額だ。この資金をどうやって調達するのか、疑問に思った。
そこで、会見終了後に津田氏に伺ったところ「グループ企業から調達する」と市場からの調達ではない旨の返答があった。
オプテージは関西電力の100%子会社であり、親会社の関西電力は格付け会社から高い評価を得ている。筆者の想像にとどまるが、オプテージが起債するよりも関西電力から調達したほうがよいというのが、関西電力を含めた判断ではないだろうか。
金額に関しては現時点での計画額であり、今後変動する可能性もあるという。一方、「OC1の建設は大阪万博と時期が重なったこともあり、想定よりもコストアップになった」とのこと。
昨今建築費の増大から再開発事業がストップしている報道もあり、コスト上昇が大きく投資効果が得られにくい場合は計画変更もありそうだ。
OC1オープンの前々日にはモバイル通信部門のmyneoでもフルMVNOを来年度までに行うという発表を行っており[参考記事:オプテージ「mineo」、au回線を利用した音声フルMVNOに参入 提供サービスの充実を見込む]、この投資コスト(金額非公表)も必要となる。オプテージの経営陣の中でどのような判断が行われたのかは不明だが、成長分野で大きく業績を伸ばすべく、アクセルを踏み込んだといえるだろう。























