Elon Musk(イーロン・マスク)氏が率いるSpaceXとxAIが、今年後半に予定されるIPO(新規株式公開)に先立ち、合併に向けた協議を進めていることが明らかになった。

背景には「宇宙データセンター構想」

SpaceXは2002年に設立された民間宇宙企業で、再利用可能な「Falconロケット」や衛星ブロードバンドネットワーク「Starlink」で知られる。xAIは2023年に設立したAI企業で、SNSプラットフォーム「X」とAIチャットボット「Grok」を運営している。ともにマスク氏が立ち上げたベンチャーだ。

両社は現在、SpaceXが今年後半に予定するIPOに先立ち、合併に向けた協議を進めているという。合併が実現すれば、マスク氏のロケット事業、Starlink衛星、SNSプラットフォームのX、そしてAIチャットボットのGrokが1つの企業体に統合されることになる。

合併案では、xAIの株式がSpaceXの株式と交換される形で統合が進められる。この取引を促進するため、1月21日に米ネバダ州で2つの事業体が設立されたことが、企業登記資料により確認できる。

ただし、取引の詳細な条件や評価額、実施時期については現時点で不明だという。関係者は、一部のxAI幹部には現金を受け取る選択肢が与えられる可能性があるとしている。

SpaceXは直近の社内株式売却で評価額が8000億ドルとされており、すでに世界で最も価値の高い非上場企業となっている。xAIは昨年11月時点で2300億ドルと評価されていた。複数の報道によれば、SpaceXは今年中のIPOを計画しており、評価額は1兆ドルを超える見通しだ。

この統合の背景には、マスク氏が推進する「宇宙データセンター構想」があるようだ。同氏はスイス・ダボスで開催された世界経済フォーラムで「AIを配置する最も低コストな場所は宇宙になる。そしてそれは2年以内、遅くとも3年以内に現実になる」と述べたとのこと。

同構想では、太陽光発電を活用した宇宙でのAI処理により、AIモデルの訓練や運用に必要な計算能力のコストを削減することを目指している。SpaceX、xAI、マスク氏の各広報担当者はReutersのコメント要請に応じていない。Reutersが1月29日付けで独占として報じた。