レバテックは1月28日、IT人材を採用する企業担当者1000名とIT人材3000名を対象に実施した調査結果をまとめた「レバテックIT人材白書2026」を公開した。AI導入を背景にIT人材の採用ニーズが高まる一方、人材確保に苦戦する企業も多く、採用競争が激化している実態が明らかになった。

  • 「レバテックIT人材白書2026」の概要(出典:レバテック)

    レバテックIT人材白書2026(出典:レバテック)

非ITの事業会社で採用目標未達が目立つ

同白書によると、2025年度のIT人材採用における目標達成状況について、順調に採用を進めている企業が過半数を超える一方で、「目標達成が難しい見込み」が18.3%、「目標達成はほぼ困難」が9.7%と、約3割の企業が採用数目標の達成に苦戦していることが分かった。

  • 25年度の採用目標人数の達成状況(出典:レバテック)

    25年度の採用目標人数の達成状況(出典:レバテック)

企業別にみると、システム開発やIT関連の事業会社では過半数の企業が順調に採用を進めているのに対し、非IT関連の事業会社では進捗が乖離している企業や達成が難しい企業の割合が比較的高く、業態によっても採用目標の達成状況に差があるという。

  • 【業態別】25年度の採用目標人数の達成状況(出典:レバテック)

    【業態別】25年度の採用目標人数の達成状況(出典:レバテック)

一方で、昨年度と比較したIT人材における採用数の変動については、「増加した」が41.2%と4割を超え、「変化なし」が50.3%、「減少した」が8.5%となった。4割以上の企業が採用人数を増加させており、IT人材へのニーズの高さは継続しているとのことだ。

  • 採用人数の変動(昨年度比)(出典:レバテック)

    採用人数の変動(昨年度比)(出典:レバテック)

  • 【業態別】採用人数の変動(出典:レバテック)

    【業態別】採用人数の変動(出典:レバテック)

AIを導入している企業を対象に、導入効果を踏まえたIT人材の増減検討状況について聞いたところ、9割超の企業が人員数の見直しを「検討している」(47.0%)または「今後検討予定」(46.7%)と回答した。

  • AI導入による効果を踏まえたIT人材の増減検討状況(出典:レバテック)

    AI導入による効果を踏まえたIT人材の増減検討状況(出典:レバテック)

さらに、人員増減の方向性を聞くと、約7割が「増員予定」(68.6%)と回答し、「減員予定」(5.8%)を大きく上回った。AI導入企業の多くが人員の見直しを進める中でも、IT人材の採用市場では増員を予定する企業が多く、採用が活発な状況にあることが示されたという。

  • AI導入によるIT人材の増減予定(出典:レバテック)

    AI導入によるIT人材の増減予定(出典:レバテック)

また、IT人材側の調査では、45%が「静かな退職」(Quiet Quitting)の傾向を持つことが判明した。その理由として最も多かったのは「自身の成果が、給与や昇進に正当に反映されないと感じるから」(43.5%)で、次いで「担当の業務量が多く、心身の健康を優先したいから」(37.8%)、「キャリアアップをしたいと思わないから」(32.8%)となった。正当な評価や報酬が得られないことへの不満が、仕事への熱意を抑制する大きな要因となっているとのことだ。

  • 自身の働き方について「静かな退職」であると感じているか(出典:レバテック)

    自身の働き方について「静かな退職」であると感じているか(出典:レバテック)

  • 「静かな退職」をする理由(出典:レバテック)

    「静かな退職」をする理由(出典:レバテック)

転職に関する調査では、転職先の企業選びで重視した条件として3年連続で「給与」(57.2%)が1位となった。直近の転職による年収の変化については59.4%が「増えた」と回答しており、約6割のIT人材が転職による年収アップを実現している。年収の増加幅は「10万円〜30万円未満」(27.3%)が最も多いものの、「100万円以上」の増加も約2割存在し、転職によって大幅な年収アップを実現している人も一定数いるという。

  • 企業選びで重視すること(出典:レバテック)

    企業選びで重視すること(出典:レバテック)

レバテック執行役社長の泉澤匡寛氏は、採用ニーズが高まる中で現場のモチベーション低下が放置されれば、生産性の低下や離職を招く恐れがあると指摘。採用強化に加え、働きがいを感じられる環境や評価制度の整備が重要だとコメントしている。

  • 転職による年収の変化(出典:レバテック)

    転職による年収の変化(出典:レバテック)

調査は2025年11月12日から19日にかけて、インターネットを通じて実施された。 白書全文は、レバテックのWebサイトでPDFとして公開されている

  • 直近の転職による年収増加額(出典:レバテック)

    直近の転職による年収増加額(出典:レバテック)