セラミックパッケージ技術で高性能・高信頼な全固体電池を実現

京セラとマクセルは1月28日、2025年12月よりマクセルの全固体電池「PSB401010H」を用いた電源モジュールを京セラの半導体セラミックパッケージ生産拠点の1つである鹿児島川内工場の産業用ロボットおよびコントローラに搭載する形で試験運用を開始したことを明らかにした。

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    京セラの鹿児島川内工場の外観(左)とマクセルの全固体電池を採用した電源モジュール(右) (出所:京セラ/マクセル)

全固体電池は、固体材料を用いることで可燃性の有機電解液の液漏れなどに伴う発火、爆発に対するリスクを低減できる次世代二次電池。高速充電、高エネルギー密度、長寿命といった特長もあり、世界で研究開発および実用化に向けた取り組みが進められている。

マクセルが製品化している全固体電池は、60℃保管による加速試験において、90%の容量を維持可能な日数が従来のコイン形リチウムイオン電池(927サイズ)では10日間であったものが100日間へと延ばせる電池性能に加え、京セラのセラミックパッケージを採用することによる高耐熱性ならびに高気密性による電池の劣化抑制などを実現したもの。また、リフローによる表面実装にも対応可能で、産業機器などで求められる信頼性も提供できるという。

  • マクセルの開発したセラミックパッケージ型全固体電池の外観

    マクセルの開発したセラミックパッケージ型全固体電池の外観 (出所:京セラ/マクセル))

京セラ鹿児島川内工場での試験運用で安全性などの評価を実施

従来、工場で稼働する産業用ロボットの多くは停電時のメモリ保持やリアルタイムクロック(RTC)に向けて使い捨ての一次電池を搭載した電源モジュールを用いていたという。この場合、一次電池搭載の電源モジュールは1年~2年ほどで電池の交換が必要となり、交換された一次電池は産業廃棄物として処理されていたが、これを充電式の全固体電池に置き換えることで、製造の現場という過酷な環境下においても高い安全性を保ちつつ、10年以上の長寿命化に伴う電池の交換作業や廃棄物の削減につなげることが期待できるようになると両社では説明している。

なお、京セラでは今回の自社工場での試験運用での結果を踏まえる形で、製造現場のさらなる省メンテナンス化ならびに環境負荷低減に貢献する技術の導入に向けた検討を推進していくとしている。一方、マクセルは、「混ぜる」「塗る」「固める(成形する)」の3つの要素技術を核とし、素材の特性を最大限に引き出す独自技術であるアナログコア技術を活用した社会課題の解決に向けて、高信頼性、高耐熱、高出力、大容量の4つを軸とした全固体電池およびモジュールの開発を今後も進めていくとしており、今後も両社で全固体電池および関連技術分野における協力関係を深めていくことで、産業用途をはじめとしたさまざまな分野における社会課題の解決につなげていきたいとしている。