ESETは1月26日(現地時間)、ドイツでWindows 10が依然として広く使われている現状を示し、更新を怠った環境が深刻な危険を招くと警告した。ESETなどが実施した2025年11月の調査では、ドイツの家庭用PCの2150万台(約49.5%)がWindows 11を利用、2100万台(約48%)がWindows 10を利用していることが明らかになった。

拡張セキュリティ更新プログラム(ESU: Extended Security Update)(以下、ESU)の終了期限が約8カ月後に迫る中、ESETはほぼ拮抗したシェアが続いている現状を明らかにし、ユーザーに速やかなOSの切り替えを促している。

  • Windows 10: Halb Deutschland befindet sich im Dornröschenschlaf||ESET

    Windows 10: Halb Deutschland befindet sich im Dornröschenschlaf || ESET

Windows 11の移行に遅れを取るドイツの状況

「ドイツは変化に苦戦している。OSの切り替えもその1つです」と述べるのは、ESETのITセキュリティ専門家を務めるAlexander Opel氏だ。同氏はサポートを終了したOSの切り替えを遅らせたり、ESUに登録しないユーザーは綱渡りしているようなものだと指摘し、「直ちに行動を起こし、最新OS(Windows 11)に切り替えるか、ESUに登録する必要があります」と訴えている。

ドイツでは昨年8月以降、約360万台のPCがWindows 11に移行したと報告されている。順調に推移しているように見えるが、それでもWindows 11とWindows 10のシェアの差は2%もなく状況は芳しくない。

4カ月(8月から11月まで)で360万台の移行ペースが続くと、2026年10月までに追加で900万台が移行する計算になる。今後もペースが維持されるとは限らないが、ESU終了日(2026年10月)に1200万台のWindows 10 PCが稼働を続けている可能性がある。

  • ドイツにおけるWindowsのバージョン別シェアの割合(2025年11月) 出典:連邦統計局、StatCounterおよびESET

    ドイツにおけるWindowsのバージョン別シェアの割合(2025年11月) 出典:連邦統計局、StatCounterおよびESET

移行の遅れがもたらすリスクと解決策

この状況に追い打ちをかけているのが、脆弱性の増加だ。ESETによると2024年7月から2025年6月までの1年間は、1日平均約119件の脆弱性が登録されたという。これは前年比で約24%増、2022年との比較では2倍近い数字とされる。

この傾向は2025年下半期以降も続くと予想されており、Windowsも例外ではない。企業PCではインシデント発生時にEU一般データ保護規則(GDPR: General Data Protection Regulation)の違反に問われる可能性があり、旧システムの維持は重大なリスクを抱え込むことを意味する。

課題解決の方法は単純だ。OSをWindows 11にアップグレードし、最新の状態に維持すればよい。しかしながら、Windows 11の更新プログラムからは度々不具合が発見され、ユーザーを不安にさせている。Windows 11のシェア拡大には、ユーザーの不安払拭が重要な要素になるが、残念ながらユーザーからのフィードバックに頼る状態が続き、改善の見通しは立っていない。

それでもESETはWindows 11への移行を推奨する。「最初は切り替えが難しいかもしれない」と述べ、さまざまな壁にぶつかる可能性を示唆しつつ、できるだけ早く最新バージョンのWindowsに移行するように呼びかけている。古いWindows環境にはそれだけのリスクがあるとみられる。

このように、Windowsのシェアについてはドイツの深刻さが伝えられている。しかし、この問題はドイツだけのものではないようだ。StatCounterが公開しているWindowsバージョン別シェアの割合によると、Windows 10は昨年10月からシェアの拡大を続けている。2025年12月は44.68%と、Windows 11の50.73%とわずか6ポイント差だ。Microsoftはセキュリティ企業以上に状況を深刻に受け止め、シェアが伸びない理由に真摯に向き合う必要がある。