クラウドセキュリティプラットフォームを提供するWiz Cloud Japanがこのほど、2026年度事業戦略説明会を開催した。事業戦略の前に、同社が提供しているソリューションを簡単に紹介しておきたい。

クラウドの複雑な関係、重要な侵害経路を可視化

同社は、コードからランタイムまでクラウドを保護する単一のプラットフォームとして「Wiz Cloud Native Application Protection Platform」を提供している。同プラットフォーム上で、「Wiz Code」「Wiz Cloud」「Wiz Defend」が稼働している。

  • Wizのソリューションの構成

    Wizのソリューションの構成

同社の製品の特長はエージェントレスとグラフデータベースによる可視化だ。セキュリティグラフはクラウド環境で実行されている技術間の関係を分析し、重要な侵害経路を可視化する。

加えて、Wizはコンテキストを基に有害なリスクの組み合わせを特定し、さらにイシューを生成する。これにより、ユーザーはイシューに対応すればよく、自身でログを確認して必要な対応を考える手間が省ける。同社は、効率が良いクラウドプラットフォームの運用を目指している。

さらに、「あまり使っていないサーバの脆弱性の対応の優先度を下げる」といった人間のような判断も可能だ。Wizは、対応が必要な脆弱な状態を検出したら、その対処方法を開発者にとってやりやすい形で提示するという。

  • Wizのセキュリティグラフの画面

    Wizのセキュリティグラフの画面

AIセキュリティに不可欠なクラウドセキュリティを提供

米Wiz クラウドセキュリティ プロダクト開発担当副社長のMattan Shalev氏は、同社の強みについて、「コンテキストベースのセキュリティを提供する。コンテキスト、セキュリティグラフ、有害なリスクの組み合わせを提示するというアプローチで成長できた」と語った。

  • 米Wiz クラウドセキュリティ プロダクト開発担当副社長 Mattan Shalev氏

    米Wiz クラウドセキュリティ プロダクト開発担当副社長 Mattan Shalev氏

同社の製品においてはコンテキストがキーワードとなるが、Shalev氏はコンテキストについて、次のように説明した。

「ランタイムのオブザーバビリティにフォーカスして、コンテキストを再定義したい。ランタイムを取り込んでコンテキストをブラッシュアップして、脅威の優先順位をつける。コンテキストはこれからも重視する」

また、米Wiz グローバル営業統括副社長のMike Earnest氏は、AIは生産性を高めるがリスクをもたらすとして、「AIセキュリティにはクラウドとデータのセキュリティが不可欠」と指摘した。

Wizはクラウドの状況を可視化することから、Earnest氏は「Wizによって可視化することで、対応のプライオリティをつけられ、複数のサイロの人が共通の言葉を使えるようになる。これにより、ビジネス上の課題を払拭しセキュリティを高められる。規模感をもってAIを活用する場合、Wizを使うべき」と述べた。

  • 米Wiz グローバル営業統括副社長 Mike Earnest氏

    米Wiz グローバル営業統括副社長 Mike Earnest氏

2026年はAIエージェントのリスクに対応

日本における事業戦略については、日本代表の山中直氏が説明を行った。同氏は、ここ一年のアップデートとして、顧客の採用が進んだこと、パートナープログラムの拡大・醸成、日本市場への投資拡大を挙げた。東京オフィスを開設したほか、日本語によるサポートサービスの提供を開始し、Wiz認定資格の日本語対応が行われた。金融の顧客のニーズに応え、FISCガイドラインも実装した。

  • Wiz Cloud Japan 日本代表 山中直氏

    Wiz Cloud Japan 日本代表 山中直氏

山中氏は2026年の事業戦略について、「2025年から大きく変わらない」としたうえで、AIエージェントがもたらすリスクに対応すると語った。2025年は「攻め」と「守り」のデジタル戦略として、デジタルによる俊敏性の向上に対し、クラウドネイティブなアジリティとエンタープライズレベルのセキュリティを提供することを掲げていた。

  • Wiz Cloud Japanの2025年の事業戦略

    Wiz Cloud Japanの2025年の事業戦略

これに、昨今のAIエージェントの拡大を踏まえた戦略を加える。山中氏は「タスクの実行者が人間からエージェントに代わる。エージェントにより劇的に俊敏性の向上が図られるが、環境も変わる。2026年は劇的な環境変化に対応する」と説明した。

  • Wiz Cloud Japanの2026年の事業戦略

    Wiz Cloud Japanの2026年の事業戦略

具体的には、すべてのデジタルアセット・リスクの「可視性」の確保と「コンテキスト」の把握、「コンテキスト」による「有害なリスクの組み合わせ」の特定・優先順位付けと「重要なリスク」の排除に取り組む。

「旧来のオンプレ環境では構成、リスク、コンテキストが把握しやすかった。しかし、クラウド、AIエージェントによって環境が変わりつつある。今年はコンテキストを理解することで、イノベーションとコントロールを実現する」と、山中氏は語っていた。

また、AIエージェントのセキュリティ対策として、セキュリティグラフでは、AIエージェントの接続を可視化し、ガバナンスへの対応やリスクの状況を明らかにする。