IFSは、2025年度における産業用AI事業の年間経常収益(ARR)が、前年比で23%成長したと英国時間1月22日に発表。産業用AIが実証実験段階を超え、実運用と成果創出のフェーズへ移行していることが業績に反映されたと説明している。
2025年度の通期決算では、ARRが前年比23%増、クラウド売上高が前年比30%増となった。売上全体に占める経常収益比率は83%、ネット・リテンション・レート(NRR)は114%。営業利益率は前年から5ポイント改善した。
同社では、産業用AIは実証や試験導入の段階を超え、製造、設備保全、サプライチェーン、フィールドサービス、倉庫業務といった実際の業務領域において、測定可能な成果を生み出す段階に入っていると説明。顧客企業は、特定の業務ユースケースから導入を開始し、短期間で投資対効果(ROI)を実感した後、適用範囲を拡大したとしている。その結果、平均案件規模は前年比14%拡大し、顧客生涯価値(LTV)の継続的な向上が見られ、顧客満足度を示すCSATスコアは87%に達したとのこと。
技術面では、「IFS Nexus Black」が顧客の課題を製品化されたイノベーションへと転換し、数週間で革新的な産業用AI機能を提供できる点を特徴とアピール。「IFS Agent Studio」により、企業は自律型デジタルワーカーを構築・展開でき、ミッションクリティカルな業務の中核に自動化と知能を組み込むことが可能になるとしている。
また、Anthropic、Microsoft、Siemens、Boston Dynamicsといった企業との戦略的提携を通じて、自律型オペレーションの実現を加速しているという。
2025年における主な新規および拡大顧客として同社は、ArcelorMittal、Cadillac Formula 1 Team、Callaway、Collins Aerospace、Dixstone、日立エナジー、Homeserve、日本航空、Tampa Electric(TECO)、TotalEnergies、Westinghouse、William Grant & Sonsなどを挙げている。
同社は2025年に、戦略的な買収も進めた。
TheLoopsは、ミッションクリティカルな産業向けに設計されたエージェント型AIワークフォースを提供しており、初期導入において最大10倍の業務キャパシティ拡張の可能性を実証したという。
7Bridgesは、AI主導のサプライチェーンおよび輸送最適化機能を提供しており、初期顧客では輸送コストを8%削減し、データ管理業務の90%を自動化したとしている。
Softeonについては、2026年第1四半期に買収完了を見込んでおり、これまでの買収によって強化してきた産業用AIの機能群に、倉庫管理およびロボティクス連携の領域を加えることで、エンドツーエンドのサプライチェーン統合をさらに進めるとしている。
IFSのマーク・モファットCEOは「2025年度は、産業用AIが“キャズム”を越えた年だ。企業はパイロット段階を脱し、真に重要な業務領域でAIをスケール展開している」と述べ、「IFSが選ばれている理由は、産業特有の複雑性を前提に設計されたテクノロジーが、スケールした成果を提供できる点にある」とし、「ROIを実感した顧客は、より速く、より深く活用を拡大している」としている。
IFSの同社の成長率については、信頼性の高い業界アナリストが公表する市場成長率と比較して、競合の約2倍に相当すると見ており、2026年はさらに成長が加速し、その差は一層広がるとの見方を示した。
営業利益率の改善について同社は、規律ある事業運営の徹底、事業規模拡大によるスケール効果の進展、高品質な経常収益の構成比拡大が要因だと説明している。
同社は今後、倉庫、サプライチェーン、フィールドサービス、設備保全といった日常業務に産業用AIをさらに深く組み込み、より迅速かつ予測可能な成果を大規模に提供していくことで、顧客支援を強化していくとのこと。
