ヤマハの米国子会社であるヤマハ・ミュージック・イノベーションズ(YMI)は1月16日、音素材生成AIに強みを持つBoomyと協業し、ヤマハの音楽制作ツール「SEQTRAK」アプリへの生成AI機能統合に向けた技術検証を開始することを発表した。
現代社会において急速に普及が広がる生成AIは、音楽制作の現場においても存在感を高めている。特に楽曲全体を生成するサービスが多く用いられる一方、音楽制作に使用される“音素材(サンプル)”の高品質生成を実現する技術は、未だ希少とのこと。Boomyはそうした領域で高い技術力を有し「クリエイターのための生成AI」という哲学のもとでサービスを展開しているという。
一方のヤマハはグループとして、生成AIを「人のもつ創造性の表現に寄り添い、サポートするもの」と位置づけ、安全性・透明性・権利保護を重視する「ヤマハグループ音・音楽に関するAI活用基本方針」を設定。この方針に沿った形で、革新的な音楽体験の創出に取り組んでいるとする。
そして両社は今般、それぞれ掲げる哲学・価値観が合致していることを受け、生成AIを創造のためのツールとして活用し、クリエイターをエンパワーして、制作の可能性を拡げることを目的とした協業を開始。ヤマハが提供する音楽制作ツールのSEQTRAKアプリへの生成AI機能統合に向けた検証を開始する。
同アプリは、ドラムやシンセなどのさまざまなサウンドを組み合わせ直感的な音楽制作を可能にする“オールインワンギア”として、音楽クリエイターに広く利用されている。今般の検証では、内蔵音源に加え、専用アプリに生成AIを組み込むことで、音素材を簡単に追加でき、利用者のインスピレーションを拡張する新たな音楽製作体験を提案するとした。
なお両社は技術検証の第一歩として、1月22日~24日(現地時間)に米国・カリフォルニア州で開催される「The NAMM Show」にて、クリエイター向けの体験会を実施するとのこと。SEQTRAKアプリにBoomyのAIサンプル生成機能を統合し、プロンプトから欲しい音を生成するとともに、生成したサンプル音をそのままSEQTRAKでの制作・演奏に活用する新たな制作フローを紹介するという。そして今後は両社共同で技術評価や実装検証を進めながら、アプリの機能としての提供可否を検討するとともに、得られた知見を通じて生成AIの創造的活用の機会を見極め、音楽文化の健全な発展に貢献するとしている。

