米OpenAIは1月16日(現地時間)、対話型AI「ChatGPT」に広告を導入する方針を明らかにした。まずは米国で、無料プランと、新設された低価格プラン「ChatGPT Go」を対象に、今後数週間以内にテストを開始する予定である。広告は回答とは分離された領域に表示し、「広告」であることを明確に示すラベルを付与する。
同社は16日に、月額8ドル(日本では月額1500円)の低価格プラン「ChatGPT Go」の提供を開始した。無料版と「ChatGPT Plus」(月額20ドル)の中間に位置付けることで、価格帯の選択肢を広げ、利用者層の拡大を狙う。広告表示は、無料提供や手頃な価格帯を維持するための収益源と位置付けられており、Plus、Pro、Business、Enterpriseの各プランでは広告を表示しないとしている。
広告の導入にあたり、OpenAIはユーザーの信頼を損なわないための5つの基本原則を掲げている。
- ミッションとの整合性: 広告活動は、「AGI(汎用人工知能)が人類に利益をもたらすようにする」という同社のミッションに沿い、AIへのアクセス性を高めることを目的とする。OpenAIは、理想的な広告を「有益で、楽しさがあり、新しい商品やサービスの発見に役立つもの」としている。
- 回答の独立性: 広告がChatGPTの生成する回答内容に影響を与えることはない。回答は常にユーザーにとって客観的に有用な情報に基づいて最適化される。広告は回答の末尾など、通常の回答とは明確に区別された専用エリアに、「Sponsored(広告)」と明示したうえで表示される。
- 会話のプライバシー: ユーザーとAIの会話内容が広告主に共有されることはなく、ユーザーデータが広告主に販売されることもない。
- ユーザーによる管理: ユーザーは広告のパーソナライズを無効化できるほか、広告表示に使用されるデータを削除できる。広告が表示される理由を確認できる仕組みを設け、不適切な広告に対するフィードバックも可能とする。
- 長期的な価値の重視:ChatGPTでの滞在時間を重視した最適化は行わず、短期的な収益よりもユーザーの信頼と体験価値を優先する。
テスト期間中は、18歳未満のユーザー、またはOpenAIが18歳未満と推定したユーザーを広告表示の対象外とする。また、健康やメンタルヘルス、政治などのセンシティブなトピックや、法規制の対象となる分野の周辺では広告を表示しない方針である。
OpenAIは、単に広告を表示する従来型の手法にとどまらず、AIならではの体験の可能性を探る。例えば、旅行の相談中に表示された宿泊施設の広告について、「チェックイン時間は何時か」「周辺にどのような飲食店があるか」といった追加の質問を行い、そのまま意思決定を支援するような“会話型広告”の活用も視野に入れている。

