100マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル程度まで絞り込めるレーザービームをピンポイントであててチタン合金を溶融させ、厚み50、60マイクロの層を繰り返し積み重ねること48時間。大阪大学吹田キャンパスにある積層造形(AM)の拠点、阪大金属AMセンターのセンター長を務める中野貴由教授(AM材料学)らが、金属3Dプリンターで25.36センチの東京スカイツリー模型(実物の2500分の1)を完成させた。
本物の東京スカイツリーと模型を並べて見ると、柱が積み上がっていくにつれて三角形の底が円形に変化する特徴がぴったり一致している。作り込んだ先端の避雷針は直径100マイクロメートル程度。指で押すと突き刺さりかねないが、使用したチタン合金は、インプラントにも用いるものなので、体に害がある心配はほぼ無い。
角度を変えると内側にも柱が見える。「トラス構造」という部材を三角形状に接合した構造体骨組みまで再現したからだ。金属粉末を薄く敷いて、必要な部分だけレーザーで溶かして下から柱などを伸ばして作った。「レーザーの強度や照射時間を調節して金属をほどよい温度で溶かすことで柱の幅を調節するのが腕の見せ所だった」と、中野教授。
3Dプリンターでは作成過程によく使う、空中に浮かぶ部分を支える「サポート材」を使わなかったことも見せ所の一つ。実際の建設と同じように下から直線の柱を組み合わせた構造を生み出す過程を体験し、中野教授は「直線の部材を組み合わせて作る美しさ『直線美』を実感した」という。
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