大日本印刷(DNP)とUSEN&U-NEXT GROUPのUSEN-ALMEXは1月14日、ホテルのDX(デジタルトランスフォーメーション)に向けて、デジタルパスポートを活用した新たな取り組みを開始すると発表した。
2024年に訪日外国人旅行者数は過去最高を更新し、ホテルではパスポートの確認や宿泊者名簿の作成など従業員の負荷増大が課題となっている。それに対して、国際民間航空機関(ICAO)はデジタルパスポートの1つである、国際標準規格「デジタル渡航認証(Digital Travel Credential)」を含む新規格について、2028年までの実装を推奨している。
実証実験の概要
実証実験ではKIOSK端末と連動させてデジタルパスポートを用いた本人確認を行うことで、パスポート提示・目視確認を含む従来の確認工程の一部を効率化。旅行者は事前登録すると現地でスムーズなチェックインが可能となり、待ち時間短縮やストレス軽減につながるという。ホテル側は繁忙時間帯の混雑緩和、深夜帯業務の省力化が期待でき、業務効率と顧客サービス双方の向上を支援する。
また、DNPの認証基盤「DNP分散型ID管理プラットフォーム CATRINA(カトリーナ)」は国際標準に準拠した高セキュリティなデータ管理機能と暗号鍵技術を備え、デジタルパスポートの真正性を検証できる。各国・地域が求める厳格な個人情報保護基準にも適応可能な設計であり、旅行者情報の安全な取り扱いを担保し、宿泊名簿を管理するホテルの負荷軽減にも寄与するとのこと。
さらに、USEN-ALMEXが展開するホテル向けKIOSK・オンライン事前チェックインサービス「PreCheck-in(プリ・チェックイン)」とDNPの認証基盤の連動で、宿泊者名簿作成や本人確認を自動化。
チェックイン時のフロント業務の負荷を軽減し、少人数運営や深夜の無人化運用を支援することで、ホテルスタッフは接客や付加価値の高いサービスに集中でき、旅行者はストレスなくチェックインできるなど、双方にメリットを提供。チェックインを起点とした将来的なサービス拡張も視野に入れている。
実証実験はフェーズ1として、ロワジールホテル 品川シーサイドでプロトタイプKIOSKを用いた対面でのチェックイン技術実証、実際の宿泊者・ホテルスタッフによる体験評価を行う。
フェーズ2(2026年3月1日~6月30日)では、PreCheck-in導入済みホテルにおいてPreCheck-inとデジタルパスポートの情報を用いた非対面でのチェックイン実証、照合速度や運用性、ユーザー体験の確認、省力化効果を評価する。
各社の役割として、DNPはCATRINAの提供、デジタルパスポート連携に必要な認証技術・暗号鍵管理、KIOSKとの連携API・認証UIの設計、デジタルパスポート国際動向に基づく技術検証支援などを担う。USEN-ALMEXはデジタルパスポート対応KIOSK端末とPreCheck-inの開発・提供、ホテル向けKIOSKのUI/UX最適化、実証における施設・オペレーション検証などを手がける。
両社では今回の実証実験で得る知見をもとに、デジタルパスポートと連動した次世代型チェックインサービスの商用化を目指すことに加え、チェックインから始まる宿泊体験全体の顧客満足度向上などを見据え、将来的なサービス拡張や新たなホテル向けソリューションの共創を進めていく。


