島津製作所は1月7日、従来のイオナイザでは使用できなかった窒素ガス環境で除電効果を発揮する卓上コロナ放電式イオナイザ「STABLO-AP-N2」を発売したことを発表した。
グリーントランスフォーメーション(GX)やカーボンニュートラルへの意識の高まりに伴って活発化する、各種電池の研究開発。その新規材料や原料は活性が高く、吸湿や窒化、酸化などをしやすいため待機環境での取り扱いが困難だとされる。
こうした背景から、電池の研究開発ではアルゴンガスが充満した精密グローブボックス(酸素、水分濃度1ppm以下)が広く用いられている一方、窒化の懸念が少ない材料を対象とする際には、アルゴンガスに比べて安価な窒素ガスが使われているという。
そうした背景を受け、1918年から分析天秤の製造・販売を行ってきた島津製作所は、初の事例となる窒化ガスに特化した卓上コロナ放電式イオナイザの開発に着手。従来のイオナイザでは使用できなかった窒素ガスを用いて計量時の静電気の影響を防ぎ、信頼性の高い計量を実現するとしている。
同社によると、窒素ガス環境において従来使用されている放射線式イオナイザでは、装置本体および放電針やランプなどの消耗品が高価であり交換の必要性もあったのに対し、新製品のSTABLO-AP-N2は装置価格がおよそ3分の1~4分の1で、ランニングコストの面でも経済的だとする。また放射線式で懸念される作業者の被ばくリスクやサンプルの劣化などの課題についても、安全性が高く使い勝手が優れる新製品が強みを発揮するとした。
また同製品は、島津製作所製の分析天秤「AP W-ADシリーズ」「APシリーズ」に内蔵する形や単体(専用スタンドで立てた状態)での使用、ハンディタイプという3種類の利用が可能な点も特徴とのこと。なお分析天秤とのセット購入も可能だという。
STABLO-AP-N2の希望販売価格は16万5000円(税込)だといい、同社としては発売から1年間で国内外合わせ175台の販売を目標に据えているとする。また今後も高性能かつ使いやすい製品の開発を通じ、研究開発現場の作業効率向上に貢献するとしている。
