Microsoft専門のニュースサイト「Windows Latest」は12月19日(現地時間)、「Explained: Why you can't move Windows 11 taskbar like Windows 10, according to Microsoft」において、Windows 11のタスクバーが移動できない理由を解説した。
これはMicrosoftが公開している動画分析から得られた考察で、今後もサポートされる可能性が低いと指摘している。
タスクバーの移動は設計当初に検討から除外された
Windowsのタスクバーはアプリの管理および起動の起点となる重要なコア機能だ。スタートメニューを内包し、起動しているアプリの一覧を表示する。常時画面上に存在することから、画面サイズや業務の内容次第では下側よりも左右または上側に配置したほうが都合のよい場合がある。
そのため、Windows 10以前は画面の上下左右への移動をサポートし、ユーザーの好みに合わせて調整することができた。しかしながら、Windows 11からは機能がオミットされており、有効活用していたユーザーに多大な影響を与えている。
Microsoftは2022年、質疑応答(AMA: Ask Me Anything)イベント「Tech Community Live: Windows productivity & collaboration - YouTube」の中で、タスクバーの配置に関する質問に回答している。
この回答によると、Windows 11のタスクバーはゼロから作り直しており、その設計段階で「何を含めるか、何を後回しにするか、何を含めないかを、データ(ユーザーのフィードバックなど)に基づいて決定した」という。この判断にはユーザーエクスペリエンスの最大化に主眼が置かれ、より多数の声を尊重した結果、ユーザー層の少ないタスクバーの移動は検討から外れたという。
またもう一人の関係者は、すべての環境で同一の操作性を提供するためにタスクバーの移動は許容できなかったと伝えている。特に、タッチデバイスではキーボードの存在しない条件下でジェスチャーによる操作をサポートしなければならず、タスクバーの位置によって操作方法が変わるとユーザーは混乱するだろうと指摘している。
十分な数の要望はある、それでも実装の可能性は低い
Windows Latestは、Microsoftの回答に対し、本当にユーザーの要望は少なかったのだろうかと疑問を投げかけている。Windwos 11のリリースから4年以上が経過しており、現在の情報と比較することは適切ではないが、Windows Latestは最新のフィードバックハブの要望順位を掲載し、タスクバー関連の中で最上位に位置していることを明らかにしている。
Windows 11の設計時点でこの機能を必要としていたユーザーは少なかったかもしれないが、現在は比較的大きな要望となっている。Microsoftが真にユーザーエクスペリエンスの最大化を希求するのであれば、対応は避けて通れないだろう。
しかしながら、実現の可能性は見通せない。これには現実的な課題の克服が必要となるためだ。一般ユーザーからするとタスクバーの移動は簡単そうに見えるが、影響を受ける開発者は広範囲におよぶ修正を前に頭を抱えざるを得ない。
問題はウィンドウ表示領域の動的な変更
問題はウィンドウ表示領域の動的な変更にある。タスクバーを下から横に移動すると、縦方向の表示領域が画面いっぱいに広がり、横方向はタスクバーの幅だけ狭くなる。最大化表示しているアプリの場合は、タスクバーを監視して表示領域を再計算し、現在表示しているコンテンツの再配置と再描画、ユーザー操作領域の調整など、さまざまな処理を行わなければならない。
当然ながらサードパーティ製アプリにも影響し、多くの企業に新たな課題を突きつけることになる。対応が不十分では画面表示が崩れ操作に支障を来すなど、重大な不具合につながる可能性がある。
見かけ以上に高コストな修正であることは明らかだ。加えてMicrosoftは今後、タスクバーにいくつかのAI機能を追加する予定としている。これら機能への影響が見通せない状況での移動サポートは難しい。ユーザーから多数の要望が寄せられているが、ゼロから再設計する機会が訪れるまでは現状が維持されると予想されている。
