森記念財団 都市戦略研究所(所長:竹中平蔵氏)は12月17日、2008年より調査・発表している、「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index)」の2025年版を発表した。
同ランキングは、国際的な都市間競争において、人や企業を惹きつける“磁力”は、その都市が有する総合的な力によって生み出されるという考えに基づき、世界の主要48都市を評価し、順位付けしたもの。
9年ぶりにトップ5が変動
2016年以来9年ぶりに、トップ5都市の順位が変わった。ニューヨークと東京の順位が入れ替わり、1位がロンドン、2位が東京、3位がニューヨーク、4位がパリ、5位がシンガポールとなった。
順位を上げた東京は、「文化・交流」分野の『観光資源』指標グループの評価向上や、「外国人訪問者数」の増加がスコアを押し上げた。一方、ニューヨークは、物価水準の上昇など「居住」分野の大幅なスコア下落が影響し順位を落とした。
また、昨今の環境意識の高まりを反映し、「環境」分野において指標の追加を行ったことも順位変動の要因となったという。
東京のスコアの分析
東京は、「文化・交流」「居住」の2分野が、昨年に続き大きく評価を上げた。「文化・交流」分野では「外国人訪問者数」「ナイトライフ充実度」などの評価が上昇し、パリを抜いて初の2位になった。伸びしろのある「コンテンツ輸出額」「アート市場環境」など『発信力』の拡大により、さらに都市力強化が期待できると同社は分析している。
「居住」分野では「飲食店の多さ」や調査手法に変更があった「働き方の柔軟性」などが上昇し、順位を2つ上げ初めて1位の座に就いた。課題である「就業環境」では、調査手法に変更があった「働き方の柔軟性」(31位)に若干の改善も見られたという。
そのほか、世界的なインフレ下での地域格差の中で「物価水準の低さ」が相対的に順位を上げ、初の1位の座に就いたという。
「環境」分野でも、指標の再編も影響し、昨年の18位から7位まで順位が上昇した。順位向上に最も寄与したのは新規指標「企業のサステナビリティ評価」(2位)であり、東京の新たな強みが明らかとなった。「緑地の充実度」(28位)、「環境への取り組み」(9位)のスコア増も総合順位向上に貢献しているという。
一方、「経済」分野は昨年の10位から12位に下落する結果となった。昨年度マイナス値となっていた「GDP成長率」が回復、「経済自由度」でも上昇が見られたが、強みである「世界トップ500企業」(3位)や「GDP」(2位)のスコアが低下するなど、「経済集積」や「市場の規模」が縮小している。

