「Firefox」などを開発するMozillaは12月16日、新CEOとしてAnthony Enzor-DeMeo氏が着任したことを発表した。ブラウザのシェアは2.3%と大きく落ち込む中、Mozillaをどのように舵取りするのか--。
現在のシェアは2.3%と苦しむMozilla
Mozillaは非営利組織(Mozilla Foundation)と営利部門を併せ持つ特殊な構造を持つ。2024年にMozilla Foundationがスタッフの30%を解雇するなど、ここ数年は人員削減や組織再編を進めている。
約85%の収益を検索で提供するGoogleに依存しているが、プライバシーとオープン性をどう守るかというバランスを模索してきた。一時期は30%を超えたFirefoxの現在のシェアは現在2.3%(Statcounter調べ、2025年11月)、困難な状況下でCEOに就任したEnzor-DeMeo氏だが、同氏は現在の混乱の中にこそ機会があると語る。
同氏は「今必要なのは、人々が信頼できるテクノロジー企業だ。AIによって信頼が損なわれているのを目の当たりにしている」と述べる。
約1年前にMozillaに入社したEnzor-DeMeo氏は、これまでFirefoxブラウザの開発チームを率いてきた。同氏は「Firefoxは月間2億人が利用し、特にモバイルで成長を続けていると同氏は述べている。最優先事項は依然として最高のブラウザを作ることだ」と述べている。
2026年にFirefoxに「AI Mode」を導入
今後、Mozillaが新製品を投入する際は、Firefoxと連携したものになる可能性が高い。例として、2026年にMozilla VPNがFirefoxに統合される予定だと明かした。
AIについて、Mozillaは独自の大規模言語モデルを持たないが、2026年にはFirefoxに「AI Mode」を導入する計画だという。これについてEnzor-DeMeo氏は、ユーザーは複数のモデルや製品から自由に選択でき、オープンソースモデル、Mozilla独自のクラウドオプション、そして大手企業のモデルも含まれる見込み、と話している。
収益面では、Googleへの依存からの脱却が課題だ。これについては、サブスクリプション、広告、検索やAIプロバイダーとの提携契約の組み合わせで多角化を図るとの予想を示している。Enzor-DeMeo氏は、VPNやプライバシーサービス「Monitor」などの有料サービスでユーザーからの直接収入についても期待を見せているという。
同氏は「Mozillaの製品を使えば、自分のデータが自分の管理下にあることを常に把握できる。オフにすることもでき、怪しいことは一切しない。それが市場に必要だ」と語り、プライバシーを重視する立ち位置を強調している。一連の話は、12月16日付でEnzor-DeMeo氏がThe Vergeのインタビューで語ったものだ。