Microsoft専門のニュースサイト「Windows Latest」は12月13日(現地時間)、「Microsoft wants to make "complex web apps" faster, as Windows 11 embraces WebView2」において、MicrosoftがWebView2アプリの導入をさらに推進する方針だと伝えた。
WebView2の利点と欠点
WebView2はWeb技術(HTML、CSS、JavaScriptなど)のアプリへの埋め込みを可能にするコンポーネント。Microsoft Edgeのレンダリングエンジンを使用することで、ネイティブアプリ上にWebコンテンツを表示できるようにする(参考:「Microsoft Edge WebView2 の概要 - Microsoft Edge Developer documentation | Microsoft Learn」)。
利点は開発コストの安さ。Webアプリをそのままネイティブアプリとして動作させることができるため、複数のプラットフォームに展開する場合のコストおよび開発時間を大幅に抑えられる。
欠点は動作の遅さとリソース消費量の多さ。Webアクセスを伴う場合はレイテンシ(通信遅延)の影響を受け、ネイティブアプリよりも緩やかな動作となる。リソース消費量はネイティブアプリとの比較になるが、一般的にCPU負荷およびメモリー消費量が増加する傾向にある。
他にも、ネットワークの不安定化によるアプリの動作不良、サーバ側ソフトウェアの更新に伴う不具合発生などの懸念もある。WebView2を利用する「新しいOutlook」で、突然起動できなくなった問題は記憶に新しい(参考:「Microsoft Outlook起動できない不具合、ユーザーが回避策を提案 | TECH+(テックプラス)」)。
動作の遅さを改善し、WebView2導入を推進する可能性
Windows Latestによると、Microsoftは前述の動作の遅さを改善し、WebView2アプリのユーザーエクスペリエンスを向上させる方針だという。これは新たに公開された診断API「Delayed Message Timing」から明らかだと指摘されている。
このAPIはWebアプリが使用するメッセージ通信(postMessage)の遅延診断機能を提供する。APIの概要には「複雑なWebアプリにおけるボトルネックの特定に役立つ」との説明がある。
Microsoftはすでに新しいOutlookおよびTeamsにWebView2を採用している。最近ではWindows 11の通知センターにWebView2を導入する可能性が指摘されている(参考:「Windows 11's "Agenda" view in the Notification Center is a WebView2 (web app component), not native」)。
WebView2は開発側に利益をもたらすが、ユーザーには不利益をもたらす。特に、動作の遅さがユーザーエクスペリエンスを低下させる原因となっている。それでもMicrosoftはこの問題を改善することでWindows 11のWebアプリ化を推進する方針とみられる。
