ピンチがチャンス! 【私の雑記帳】

アイリスオーヤマの精神

「ピンチがチャンス!」―─。生活用品の企画、製造を手がけるアイリスオーヤマの創業者・大山健太郎さん(1945年=昭和20年7月生まれ)の信条だ。

〝ピンチこそチャンス〟という発想がとかく言われるが、大山さんの場合は、『ピンチがチャンス』ということで、一歩踏み込んだ言い方をされている。

 いろいろなアイデア製品を消費者に届けている同社だが、ここ数年、『米と水』でその存在感を発揮。国内外にそれぞれ18工場、海外(米国や中国など)に18工場を展開し、年商約8000億円の企業に育て上げた大山さん。2018年に会長に就任。社長には長男・晃弘さんが就いた。

 環境変化に即対応するのが大山さんの経営の特徴だ。国際環境や時代の変化に目を配りながら、大山さんの打つ手、例えば『米と水』戦略を打ち出したのはなぜか?

「日本が海外から輸入しなくても、国内でまかなえるのが米と水です。日本にあるものじゃないですか。水にしても世界一おいしいです」と大山さんは語る。

変化を見た瞬間に…

「東日本大震災で一番困ったのは飲み水なんですよ。コンビニにいくらあろうが、(震災などになると)一時間で無くなりますからね」

 2021年、同社は富士山の麓にある富士小山工場(静岡県小山町)で飲料水の生産を開始。今や水の供給会社として大きな存在感を放つ。また、電子レンジで〝チンして1分半で食べられる〟人気の〝パックご飯〟は、2億個単位で売れるヒット商品となった。昨今の米不足騒動の時に、消費者に頼りにされる存在となったのも、ここ数年、同社が米事業に本腰を入れて取り組んできたからだ。

 先見性のある経営で知られる同社だが、大山さんが語る。

「アイリスは先を見ているのではなくて、変化を見た瞬間に手が打てる。それが当社の強みですね」

 他社の場合、数か月、半年と合議制で決議し、上場会社の場合では、最終的には株主総会での決議を経なければならないが、非上場の同社は、迅速に経営判断ができる。「お客様、消費者あってのわれわれですし、社員あっての会社です。ユーザー目線、そして社員を中心に物事を考える会社でありたい」と語る大山さんである。

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