NECは先般、機関投資家や証券アナリストを対象とした「NEC IR Day 2025」を開催した。今回で、7回目となるNECのIR Day。今年は価値創造モデル「BluStellar」にフォーカスした内容がメインに語られたほか、コンサルティング起点のビジネスの要である「ABeam」の成長戦略の説明も行われた。
同イベントには、NEC 執行役 Corporate SEVP 兼 CDOの吉崎敏文氏、執行役 Corporate EVP 兼 デジタルプラットフォームサービスBU長の木村哲彦氏、アビームコンサルティング 代表取締役社長 CEOの山田 貴博氏が登壇した。
BluStellarで「将来的には1兆円、営業利益20%」
最初に、吉崎氏が「BluStellarの現在とこれから」というテーマの下、BluStellar事業のサマリとして、「2024年度の売上収益は5424億円、2025年度中計目標を1年前倒しで達成し、利益率が大幅に向上している」という現状を説明した。
新たに設定した2025年度目標の6240億円に向けて順調に推移し、将来的には1兆円、営業利益20%を目指していくという。
そんな好調な「BluStellar」だが、全社における位置づけとして、吉崎氏は「BluStellarは、全社中期経営計画達成に向けたキードライバー。次期中期経営計画に向け全社でBluStellarの浸透を進めていく」と説明した。
NECは、2019年から一貫して「ビジネスモデル」「テクノロジー」「組織・人材」の3軸でDX(デジタルトランスフォーメーション)事業を加速させている。
そして2024年には「BluStellar」を発表。今後は、BluStellarのビジネスモデルの要として、「BluStellar Scenario」を中心に成長をドライブするという。
「BluStellar Scenario」とは、「顧客の経営課題の解決」や「経営アジェンダの実現」に向けて、AIやセキュリティといった最先端テクノロジーの最適な組み合わせや成功事例など、NECが持つ実践知を集約して体系化したもの。End to Endのアプローチで、最先端テクノロジーを活用しながら、安心かつ最速に顧客課題を解決することを目指すビジネスモデルだ。
吉崎氏は「2026年度には、オファリングを高度化したBluStellar 2を発表する」とした上で、「BluStellar商材はBluStellar シナリオ・オファリング、プロダクト&サービスへ」「コンサルティング起点ビジネスは、ABeamにフォーカスしアップデートする」といった方針を説明した。
今後の目標である「将来的には1兆円、営業利益20%」達成のために、「BluStellar Scenario」と「ABeam」の強化を進めていく構えだ。
「BluStellar Scenario」の3つの成長戦略
目標達成のための1つ目の柱として挙げられた「BluStellar Scenario」。今後は、これまで培ってきたBluStellarの基盤をもとに、「BluStellar Scenarioの浸透・拡大」「AI・セキュリティによる競争優位性」「マーケット拡大戦略」という3つの戦略ポイントによりさらなる事業成長を図るという。
「BluStellar Scenarioの浸透・拡大」
まず事業成長の戦略として、市場の成長にNECの強みを掛け合わせ、AI・セキュリティでシナリオの優位性を強化し、顧客の経営課題に新たな価値を提供するという。
国内のDX関連市場が年平均成長率で14%増となることを踏まえ、それを超える成長を維持していく。
さらに、モダナイゼーションやデータマネジメント領域において、NECが得意するAIとセキュリティを掛け合わせたシナリオとして提供することで、顧客に新たな価値を提供するという。
「AI・セキュリティによる競争優位性」
続けて、木村氏は「NECの強みは、AIとセキュリティの両立において、圧倒的な技術力と実績にある」と説明した。
AIにおいては「NECの生体認証技術がNISTのベンチマークで世界1位」「機械学習難関国際学会 論文採択数が世界企業数で10位」「生体認証、映像認識、分析・対処AI分野 累積国際特許出願で1位」という技術力を誇るNEC。
セキュリティにおいても「セキュリティサービス利用率1位」「サイバーセキュリティ対策で評判が良い 1位」「国際資格CISSP(Certified Information Systems Security Professional)取得者560人以上(2025年3月時点)」という実績を持つ。
「このような技術力をもとに、社内実践によるクライアントゼロでは、経営コックピットにAIを活用し、集計、見込み、分析、レポート作成のリードタイムを96.7%削減し、業務プロセスの大幅な効率化を実現した。こうした実績をもとにした安心感を持ってもらい、提案品質の均一化、導入スピードの向上を図っている」という。
「マーケット拡大戦略」
また「マーケット拡大戦略」については、エンタープライズ市場とパブリック市場において、顧客内シェアおよび市場シェアの拡大を目指す。
木村氏は「お客さまとの関係性を深化させながら提供価値を拡大。NECグループ全体とパートナー連携によりBluStellarを広く展開していく」と説明した。
エンタープライズ領域では、クライアントゼロを起点とした上流からのコンサルティングアプローチに、各種シナリオを適用し、顧客に価値を提供。NECグループ各社との連携、新たなパートナーモデルの構築、大企業での成功モデルなどをBluStellar Scenarioやオファリングに展開する。
またパブリック領域では、公共市場に特化したシナリオを用いて、政策と連動したアプローチにより、戦略案件の獲得を目指す。加えて、エリアアプローチも進め、小中規模の自治体へのオファリング提案も行う。
アビームコンサルティングの成長戦略
目標達成のための2つ目の柱として挙げられた「ABeam」について、アビームコンサルティング 代表取締役社長 CEOの山田氏が、BluStellar事業を構成する同社の取り組みについて説明した。
山田氏は、「アビームコンサルティングは、日系グローバル企業、アジア市場における日系ローカル企業、欧米企業の成長支援に注力している」とした上で、「顧客アジェンダ起点の価値創出を行う『ClientFirst,PeopleFirst.』、テクノロジー起点のビジネス変革を進める『テクノロジー領域での競争優位』、日本起点のグローバルコンサルティングファームとしての迅速な経営判断を下せることと、独立性・中立性に基づく最適な提案を行える『日本HQ(本社)×独立性』に競争優位性がある」と述べた。
さらに、「顧客提供価値の最大化」「変革実現力の拡充」「持続的な成長モデルの確立」を成長戦略の骨子として、顧客アジェンダに基づく価値最大化と変革力拡充による、戦略から実行までの変革とイノベーションの実現を支援していく方針。
成長目標としては「戦略・ソリューション・アウトソーシングの各事業において戦略的に注力するアカウントを設定し、高付加価値サービスの提供と収益力向上を実現すること」を掲げており、具体的には「売上3000億円・営業利益率20%」を目指す。
また今後は、アライアンスネットワーク(インテリジェンス・デジタル・人材)の活用によるグローバル変革実現力の拡充も視野に入れるという。








