【厚生労働省 】株式の配当金、高齢者の保険料算定に反映へ

所得に応じて決まる公的な医療・介護保険料や窓口負担について、政府・与党が株式の譲渡益や配当金といった金融所得を反映させる方針を固めた。現行では金融所得が保険料に算定されない課税方法も選べるため、公平性の観点から是正に乗り出す狙い。2026年の通常国会に関連法案を提出する。対象者の線引きや時間のかかるシステム改修などが課題だ。

 一般的に高齢者ほど金融所得が多いというデータがあり、与党幹部は「金融所得を含めて十分な支払い能力があれば、医療費が公費や現役世代の支援金に支えられている75歳以上の保険料負担などを増やしたい」と話す。

 自営業者が入る国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度、65歳以上の介護保険の保険料は自治体が加入者の市町村民税の所得を基に算定している。

 株や債券の配当などは、課税手続きで確定申告をするかしないかを選べる。確定申告を行うと、税務当局だけでなく、市町村でも金融所得を把握して保険料や窓口負担に反映できる。一方、源泉徴収で課税を済ませると、市町村に金融所得の情報が届かず反映されない。

 この結果、例えば年間の年金収入150万円(基礎年金と厚生年金)と金融所得250万円の75歳単身者は、確定申告すれば医療費の窓口負担は現役世代と同じ3割となるが、源泉徴収を選ぶと年金収入のみで負担割合が決まり1割で済む。

 与党内には「課税手続きの選択で負担に差が生じるのは不公平」との指摘があり、市販品と似た「OTC類似薬」への保険適用の見直しと並んで最優先で実現すべき社会保障改革と位置付けられている。

 今後は厚生労働省や国税庁など関係省庁が、金融所得の把握強化に向けた検討作業を加速する。証券会社などが国税庁に提出する「税務調書」の活用案を検討している。金融機関と市町村が情報連携する仕組みを整える方向だが、自治体側のシステム改修や見直しなど課題も多い。

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