FIDOアライアンスは12月5日、新たなデジタルクレデンシャルに関するイニシアチブを発表した。イニシアチブは信頼性を確保し、相互運用可能なアイデンティティ・ウォレットのエコシステムを構築することを目的としている。

加速する日本企業のパスキー導入

日本市場では、過去1年間においても、主要な業界において新たなパスキーの導入が拡大し、多数の証券会社がパスキーの導入を開始。これには大和証券や今村証券、岩井コスモ証券、みずほ証券、マネックス証券、野村證券、楽天証券、スマートプラス、SBI証券、ウェルスナビなどが含まれている。

また、証券会社以外にもコインチェック、ユナイテッドアローズ(Capyにより提供)、JR東日本によるJRE ID、リクルートによるリクルートID、JPデジタル、GMOあおぞらネット銀行、NTTデータ、NTTテクノクロス、ジェーシービーによるMyJCBなどパスキーの導入が広がっている。

すでにパスキーを導入した企業に加え、導入計画を発表する企業も増えており、国内におけるパスキー導入は今年度中に昨年までと比較してほぼ倍増の見込みだという。昨年、FIDOアライアンスは2024年12月12日時点で、FIDOおよびパスキーを導入済みは27社、導入予定発表済みを含む場合は28社であると発表した。

今年、FIDOおよびパスキーを導入済みの企業・サービス、および2025年度内に導入予定と発表済みの企業(10社)を合わせて55社になり、これらのサービス提供者・サービス以外にも導入事例があるという。

こうした状況は、規制に関する環境変化によってもたらされており、金融庁と日本証券業協会は10月にそれぞれ「金融商品取引業者等向けの総合的な監督指針」「インターネット取引における不正アクセス等防止に向けたガイドライン」の一部改正を発表。

改正により「重要な操作時においてフィッシングに耐性のある多要素認証の実装及び必須化(デフォルトとして設定)」が求められ、パスキーによる認証が要件を満たす主要な例として挙げらている。

日証協とリエゾンパートナーシップを締結

また、12月5日にFIDOアライアンスは日本証券業協会(日証協)とリエゾンパートナーシップを締結。

日本のエコシステムを支援するための定量的な測定を含めた新たな取り組みとして、FIDOアライアンスのグローバルな取り組みであるPasskey Indexは、Amazon、Google、LINEヤフー、メルカリ、Microsoft、NTTドコモ、PayPal、Target、TikTokといった主要サービス提供者9社によるデータを総合的に示し、パスキーの登録状況、利用状況、ビジネスへの影響を把握できるようにした。

さらに、FIDO Japan WGは補足的な調査としてPasskey Index Japanを開始し、年齢や性別などデモグラフィックデータを含む追加の知見をまとめた。同調査で、パスキーの利用状況が年齢や性別でほぼ均一であることが判明した。

すべての年齢層において認証MAU(Monthly Active Users)全体のうち、50.4%がパスキーによるもので40代では53.5%がパスキーによるものとなっているほか、性別では男性が51.5%、女性が49.2%となった。

FIDOアライアンスでは、リソースハブ「パスキー・セントラル」を日本語に翻訳し、継続的に更新しており、国内企業・団体がパスキーに関する情報源にアクセスできるようになっている。同ハブは、訪問者に実践的でデータにもとづいたコンテンツを提供し、パスキーを知り、実装し、保守することで長期的にメリットを得られるように支援するという。

加えて、今年初めに開始された「パスキー宣言」プログラムでは、企業・団体に対し、特定のパスキー関連目標達成に向けた取り組みを自主的に宣言するよう呼びかけている。